ParBERT
キーサイト・テクノロジーが1990年代に発売したVXIのBERT(バート)の名称。Parはparallel(パラレル)を想像させる。parallelは「並列、同時進行」の意味なので、「並列(複数)のBERT」というネーミングである。ParBERT 81250はVXIのハードウェアとWindows NT(R)ソフトウェアで構成され、620Mbps~13.5Gbpsに対応したモジュールがあった。たとえばPattern Generator E4894B、Error Detector E4895Bなど。モジュール式なので、13.5Gbps製品を組み合わせることで40Gbpsを実現した。
「ParBERT 81250 40Gb/sシステム」の製品概要は以下のように書かれている。
BER測定ソリューション。OC-768 MUX/DeMUX(マルチプレクサ/デマルチプレクサ)装置とデバイスの試験に最適。構成により38Gbpsから45Gbpsまでのシリアル・データ・ストリームの生成および解析ができる。PRBS(擬似ランダム・ビット・ストリーム)は最大45Gbps、 PRWS(擬似ランダム・ワード・ストリーム) は最大2.7Gbpsを生成可能。ParBERT 81250 40G 電気/光パラレルBERTシステムは、OC-768のパラレル側およびシリアル側の試験を光と電気の両方で可能。半導体や光部品、伝送装置メーカの開発・検査に貢献する。
同じく1990年代に国産のアンリツはMP17xxシリーズ BERTを使い40Gbpsを実現している。MP1761A/B/C パルス・パターン・ジェネレータ(PPG)とMP1762A/B/C/D 誤り検出器(ED:Error Detector)は50Mbps~12.5Gbpsに対応し、発売時は世界最高速といわれた。
同社の「ME7760A/B 43.5G BERテストソリューション」の製品説明には以下のようにある(MEは同社のシステム製品の形名)
40Gbps以上の電気/光デバイスとモジュールのOC-768/STM-256システム評価、BER測定、業界最高の波形品質。5つのハードウェアとGP-IB接続されたPC上で動作するソフトウェアで構成。信号出力側は、クロック信号を生成する50Gまたは65G信号発生器(MG3690Bシリーズ)、4チャネルのSDH/SONETパターンを生成するパルスパターン発生器(MP1775A)、これらの信号を43.5Gbps信号に多重化するMP1803A 4:1マルチプレクサ(ME7760Aの場合はMP1801A)。受信側は43.5 Gbps 信号を 4チャネルに分割する MP1804A 1:4 デマルチプレクサ (ME7760A の場合は MP1802A) と、4チャネルのエラーレートを測定するエラー検出器 (MP1776A) 。
アドバンテストは1980年代から1990年代に光測定器や移動体通信用スペアナなどで通信計測器に参入し、2000年頃に150Mbps~12.5GbpsのBERT、D3186 パルス・パターン・ジェネレータ、D3286 エラー・ディテクタを販売している。カタログ仕様ではアンリツのMP1761/MP1762と同等である。同社は国産で早くからDMM(デジボル)をつくるなど、横河電機と並ぶ「DCから低周波」の計測器メーカだったが、アンリツやキーサイト・テクノロジーとほぼ同等の高周波/通信のラインアップを1990年代に揃えた。アンリツと光測定器で競った電電ファミリーの安藤電気も遅れて2000年代に10GbpsのBERT、AP9945を開発している。
2000年頃は10GbpsのPPGとEDをベースにした40Gbpsシステムが最先端で、アンリツとキーサイト・テクノロジーが提案していた。ParBERTはその時代のキーサイト・テクノロジーのモデルである。同2社はその後も世界最速BERTのベンダだが、安藤電気は2000年代前半に横河電機に吸収されて消滅し、アドバンテストは2010年代に一部製品をエーディーシーに移管して計測器事業から撤退している。

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