PHY
通信機能を階層別に規定したOSI参照モデルの第1層(レイヤ1)を物理層(physical Layer)と呼び、PHYと略記する。物理層を指すだけでなく、物理層の機能や、物理層の機能を持つデバイスを意味するなど、幅広く使われる。
通信を行う際、まず機器同士が物理的につながっていることが大前提となる。レイヤ1の機能は、電線や光ファイバなどのケーブルから信号を受け取り、正しく装置に伝達することである。電気信号とデジタルデータ(0/1)を相互に変換する機能、伝送媒体に応じて電気信号や光信号に正確に変換する機能といえる。レイヤ1の通信が確定すると、次にレイヤ2、レイヤ3と、順番に上位層の通信を確立していく。各種通信規格の手順(プロトコル)はレイヤ2以上で規定される。レイヤ2やレイヤ3のテスタがプロトコルアナライザやオンラインモニタで、レイヤ1テスタ(物理層試験器)はケーブルテスタやOTDR、光ロステスタなどである。
MIPI Allianceが策定するMIPI(ミピー)規格はPHYシリーズと呼ばれ、A-PHY、D-PHY、M-PHYなどの名称の規格がある。このPHYは物理層(layer 1)を示すphysical layerが由来と思われる。規格を発表順に並べる。
[物理層規格名 / 発表年 / 用途、特長 / 最大伝送速度(2025年現在)]
D-PHY(Ver1.0) / 2008年 / 携帯・スマホ内部の画像伝送、低消費電力 / 1Gbps
M-PHY / 2011年 / プロセッサ間のデータ伝送 / 6Gbps
C-PHY / 2014年 / 監視カメラ・ドローンなどの画像伝送、3値伝送で高速化 / 6Gbps
A-PHY / 2020年 / 自動車内の画像伝送 / クロックエンベデッド方式でワイヤ減 / 4Gbps
D-PHY(Ver3.0) / 2021年 / IoT機器・自動車内の画像伝送、低消費電力 / 9Gbps
PHYのその他の意味。
語尾が-phyになる英単語で、たとえば-graphyは「書く」、「表現法」の意味がある。
biographyは「bio(生命)+ graphy(書くこと)」 → 生命(人生)を記録したもの → 「伝記」。
chromatographyは「chromato(色)+ graphy(記録)」 → 色素の記録、分離分析法 → 化学分析の手法 「クロマトグラフィ」。ガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィがある。
thermographyは「thermo(熱)+graphy(表現するもの)) → 熱画像測定器 「サーモグラフィ」

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