計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

詳細説明

OMICRON

読み方:

オミクロン

カテゴリー:

#障害・EMI試験器

オーストリアに本社がある、電力・エネルギー関連の試験器メーカ。6相タイプの保護継電器試験器があり、国内の電力インフラの試験で、三菱電機や東芝などの重電メーカが使っている。継電器のメーカ&輸入商社の光商工株式会社が日本の販売代理店をしている(※1)。電力会社の施設で使われている特別高圧のリレーの試験では、エヌエフ回路設計ブロック保護リレー試験器(※2)が有名だが、富士電機のマルチパワーソースやOMICRON(※3)社の計測器も重宝されている。以下にOMICRONの代表的な2モデルを概説する。

1. CMC356
英文カタログのタイトルはThe Universal Relay Test Set and Commissioning Tool。日本語に翻訳すると「汎用(万能)リレー試験器(テストセット)・試運転工具(ツール)」。つまり幅広いリレー試験に対応した、リレーに関係する設置工事や動作試験を行うツール(工具)である。ネットでの製品名は英語からの翻訳で「電気安全試験機器」などの表記がされている。外観は、前面に多くのコネクタが並んだ箱で、操作部や表示部はない。PCと接続して使用する仕様になっている(PC接続型)。英文カタログには「6 Phase current、4 phase voltage」とあるので、電流6相、電圧4相に対応している。その特長をカタログから抜粋すると
・強力な6相リレー試験器。6つの電流源(三相モード:チャンネルあたり最大64A / 860VA)があり、高負荷の電気機械式リレーもテストできる。
・振幅、パワーを必要とするアプリケーションに最適。5Aリレー試験用の大電流振幅を実現。
・汎用的で、広範囲な試験に対応。あらゆるタイプのスタティックリレーや数値リレーの試験に対応する高精度と汎用性がある。
・特に試運転試験では、CMC356から大電流を注入することにより、電流トランスの配線や妥当性のチェックを行うことができる。

2. CMC256plus
英文カタログのタイトルはHigh precision relay test set and universal calibrator。日本語にすると「高精度リレー試験器(テストセット)・汎用校正器」。ネットでの製品名の表示は「電流試験機器」などで、リレーも継電器も品名にはない。外観はCMC356とほぼ同じ。その特長をカタログから抜粋すると
・高精度が要求されるアプリケーションの最初に使用されるモデルである。多くの種類の保護リレーの試験器であるだけでなく、汎用(万能)校正器でもある。高い精度によって、クラス0.2のエネルギーメータ、測定用トランスデューサ、電力品質測定装置、位相差測定装置などの、多くの測定器の校正が可能。
・独自の精度と柔軟性により、保護リレーと計測器のメーカの研究開発、生産、型式試験に最適。

(※1) 「3相電力・位相測定器」で、「保護継電器用の3相デジタルパワーメータ」として使用される「デジタル電圧電流位相差計PHAシリーズ」をつくっている近計システムは、2000年頃にはMEGGER(メガー)社のTDR(電線の障害位置検出器、フォールトロケータ)やOMICRONのCMCシリーズ リレー試験器の代理店をしていた、と筆者は記憶している。
(※2) エヌエフ回路設計ブロックの保護リレー試験器は、電圧と電流の相数でモデルが分かれている。RX4713(電流3相)、RX4718(電圧3相)、RX4717(電圧単相、電流単相)、RX4744(電圧4相、電流4相)、RX47022(電圧2相、電流2相)など。
(※3) 2019年末に中国 武漢から世界中に伝染した新型コロナウイルスは、時間とともに変異した。2021年11月に国立感染症研究所は「懸念される変異株」として「オミクロン株」を位置付けている。「オミクロン」は2022年の流行りことばになったが、本稿のOMICRONと何の関係もないことはいうまでもない。

OMICRONは「インピーダンス&ベクトルネットワークアナライザ」として、Bode 100 / 500などのBode Analyzer シリーズがあり、周波数応答インピーダンス解析などのアプリケーションに対応している。海外計測器を積極的に取り扱いラインアップを増やしてきた岩崎通信機が国内で販売している。OMICRONがVNAをつくっていること、岩崎通信機のHPに掲載されていること、はOMICRONが単なるリレー試験器メーカではないことを示している(モデルが日本でどれだけ需要があるかはわからないが)。

電力会社の変電所に保護継電器を納品している重電メーカ(三菱電機や東芝など)はOMICRONのリレー試験器を設備で保有している。下は2025年3月の電気学会 全国大会 附設展示会に富士電機が持ち込んだCMC356である。

参考記事
MyAssets 計測器管理を、もっと簡単に、もっと便利に