IEC 61850
IEC(国際電気標準会議)が規定した、変電所の高機能電子デバイスの通信プロトコルの規格。変電所の自動化システム、保護継電器システム、監視制御システム、給電・制御システムなどに適用される。保護制御や自動化システムでの通信を標準化しているため、電力システムのスマートグリッド化を促進し、変電所だけでなく発電所や配電系の自動化などにも導入される。
IEC 61850の規定によって、従来はアナログだった伝送方式がデジタル化される。日本では電力中央研究所が研究を行い、従来のアナログ機器を設計・製造してきた東北電力グループの通研電気工業(株)がデジタルの伝送装置(IEC 61850アダプタ)を製品化した。
IEC 61850は一般社団法人 電気学会(IEEJ)の第133回テーマとして論じられている(2022年4月)。2025年3月の電気学会 全国大会では3/20のシンポジウム講演で富士電機がIEC 61850について発表している。同社と(株)第一エレクトロニクス、不二電機工業(株)などは共同で通信インタフェースユニットやトランスデューサを製品化し、2025年の「電気学会 全国大会 附設展示会」に出展している。前述の通研電気工業も製品を展示している。これから全国の各電力会社に通研電気工業製品の導入が開始されることを見込んでいる。