計測関連用語集

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詳細説明

FFT

読み方:

えふえふてぃー

カテゴリー:

#FFTアナライザ

(Fast Fourier Transform)
・フーリエ変換
数学では、複雑な周期関数は(単純な周期関数である)正弦関数(サイン関数、正弦波)や余弦関数(コサイン関数)の和として表されることが知られている(フーリエ級数)。複雑な物理現象(関数f)を正弦波と余弦波に変換すると計算がしやすくなり、物理現象を簡便に解析できる。この変換をフーリエ変換と呼ぶ。工学では時間領域の現象(時間の関数)をフーリエ変換して周波数領域(周波数の関数)にして、色々な解析を行う。解析結果を逆フーリエ変換で時間関数に戻すと、時間領域の現象(現実の物理現象)がどうなるかがシミュレーションできる。フーリエ変換は数学、物理、工学で使われる代表的な解析手法である。

・DFT
フーリエ変換をデジタルデータで行うのが離散フーリエ変換(DFT:discrete Fourier transform)である。現実世界の物理現象はアナログ(連続して起こっている)だが、計測器はサンプリングによってデジタルデータをつくり、各種の処理や解析を行う。そのため、DFTの理論が確立した。

・FFT
DFTを高速に計算する手法がFFT(高速フーリエ変換)である。この手法を使った周波数分析器がFFTアナライザである。振動や音などの周波数測定に使われる。表示される波形はスペクトラムアナライザ(スペアナ)と同じで、横軸が周波数、縦軸がパワー(電力)だが、DC(直流)から低周波で使われ、スペアナとはアプリケーションや周波数帯が異なる。
FFTはFFTアナライザだけでなくオシロスコープの解析オプションにもあり、測定データを周波数領域に変換してスペアナのような表示を出すことができる。FFTアナライザは日本では小野測器が有名だが、環境計測のリオンもラインアップがある(両社ともに最近は「多チャンネル分析器」や「音響振動解析システム」などの品名で、FFTアナライザというよりデータ集録&解析器である)。海外メーカでは東陽テクニカの取り扱うオロス社がFFTアナライザでは名が通っている。

参考記事
計測器情報
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