FET
(Field Effect Transistor)
日本語では「電界効果トランジスタ」だが、もはやFETは日本語になっていて計測器ではよく使われる。たとえばオシロスコープの能動プローブ(active probe)であるFETプローブが代表例。
トランジスタは電流駆動だが、FETは電圧駆動。そのためスイッチング速度はトランジスタより速く、オン抵抗が高いためゲートを駆動する電力は少なく省エネである。トランジスタの機能であるスイッチング用途に適しているため、デジタルICは、MOSFETが大変良く使われる。FETの性能向上(さらなる低消費電力化)によってアナログICにもMOSFETが広がっている。一般のトランジスタを「バイポーラトランジスタ」、FETを「ユニポーラトランジスタ」と呼ぶこともある。
トランジスタの3端子はエミッタ、コレクタ、ベースだが、FETはソース、ドレイン、ゲートと呼ばれる。FETは同じく電圧駆動である真空管と同じアノード、カソード、グリッドが開発当初は端子名に使われているが、トランジスタ開発者の1人であるShockley(ショックレー)の資料にソース、ドレイン、ゲートの記載があるという。電子はソースからゲートを経由してドレインに流れるので、高所にあるソース(水源、みなもと)からゲート(水門)を調整することでドレイン(排水溝)に水が流れ落ちることをイメージした命名と思われる。