EUV
(Extreme Ultraviolet)
日本語では「極端紫外線」と呼ばれる、13.5nm(ナノメートル)の非常に短い波長の光のこと。半導体の微細化が進み、最先端の露光装置としてEUVが登場した。EUVを使って露光する次世代露光技術を極端紫外線リソグラフィ(Extreme ultraviolet lithography、略称:EUVリソグラフィ、EUVL)と呼び、オランダの半導体製造装置メーカASMLだけがEUV露光装置の開発に2018年に成功し、TSMC、インテル、サムスン電子などの大手半導体メーカが先端半導体の製造に導入した(2022年現在)。
半導体の重要な製造工程に「露光」があり、国産のNicon(ニコン)とCANON(キヤノン)は露光装置(ステッパー)で世界的なトップブランドであったが、EUV登場でシェアを落とした(※)。キヤノンが東芝から医療機器事業を買い取った(2018年1月から東芝メディカルシステムズはキヤノンメディカルシステムズに社名変更)のも、露光装置以外に生き残れる市場を模索したことも一因、と囁かれた。それほどASMLのEUVは衝撃的だった。
(※)露光は、大きなサイズの「回路の原紙」をレンズによって正確に縮小し、小さなシリコン基板に回路を焼き付けて半導体をつくる、重要な工程である。カメラメーカとしてレンズを使った機器の要素技術があったニコンとキヤノンは露光装置に参入し、世界のトップブランドとなった。「半導体製造装置は日本が強い」といわれる一翼を担う代表的なメーカである。インテル、TSMCと並び、2027年に2nm以下の生産を計画している国産のラピダスもASMLのEUVを導入しているが、そこまで微細ではないデバイスでは従来のニコンやキヤノンの装置が活躍している。ただしEUVは高額なため2社のシェアが低下した。
2025年12月に「中国が国産のEUV試作機を動作させた」ことが報じられた。ASMLに続く2番目で、中国の半導体技術の進歩を物語っている。
キヤノンは新方式の露光装置として、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を採用した装置を2023年10月に発売した。スタンプのように型(テンプレート)を半導体ウェーハ上の樹脂に押し当てて回路パターンを形成する。15nm以下の微細化に対応していて、従来方式より安価で簡素なため、「前工程が変わる」と注目されている。また、KrF露光装置(波長248nmのクリプトン・フッ素レーザーを光源にした焼き付け装置)の処理能力を改善した新製品を14年ぶりに発表し、露光装置で存在感を維持している。ニコンも独自の戦略で業績を回復した。半導体製造装置の技術革新は日進月歩で話題には事欠かない。
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