計測関連用語集

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詳細説明

CRONOS compact

読み方:

くろのすこんぱくと

カテゴリー:

#データ集録機器 #物理量測定器

CRONOSはドイツimc社のひずみデータロガーの名称。2002年発売で日本の鉄道車両(特に新幹線)の試験で使われたモデルCRONOS PLの、後継機種として2010年代に発売されたモデルがCRONOS compact。CRONOS PLは中止品で、CRONOS compactは現役(2022年12月現在)のため、鉄道車両の試験ではPLかcompactが使われる。ユーザはJR東海や鉄道車両メーカで、設備としての購入とレンタルが活用されている。
製品はメインフレームと測定モジュール(アンプ)で構成される。新幹線などの車両の試験には、32ch程度の入力ができる構成にしたCRONOSを1車両に1台乗せ、場合によっては数台をつないで同期させて試験を行う。32ch構成では概算価格は約1千万円になる、大変高額なデータロガーである。ユーザがレンタルを活用するのは、製品が高額でかつ、短期間に複数台が必要で、使用期間が事前にわかるので調達しやすいからである。
携帯電話のメーカが日本に数多くあったガラケー時代に、無線機テスタシグナリングテスタなどの数百万円~1千万円/台する高額な通信測定器が複数台、定期的に携帯電話メーカにレンタルされた。通信の専用器にはこのような事例があるが、データロガーは(一般的には)安価な低周波の基本測定器である。ところが運輸機器(特に飛行機、鉄道)向けの多チャンネルのひずみ測定には、高額な専用器であるひずみデータロガーが使われる(一般のデータロガーとは違うので筆者は特別に「ひずみデータロガー」と呼称している)。専用器というのは、ここで示した特別なアプリケーション以外には使わない、という意味である。たとえば1千万円のデータロガーで温度測定をすることはない。
CRONOSとよく似たひずみデータロガーにDEWETRON(デュートロン)やDEWEsoft(デューソフト)がある。JR東海がCRONOS PLを採用する以前に、新幹線車両を製造する日立製作所や日本車両などのメーカはCRONOSやDEWETRONを評価している。CRONOSよりDEWETRONが優れているという認識だった車両メーカもあったようだが、JRがCRONOSを設備導入後は、各車両メーカの試験機材はCRONOSに統一された。2000年代の早い時期に(JRより早く)CRONOS PLを使って実際の車両で試験をしたのは日立製作所といわれている。

参考用語
参考記事
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