計測関連用語集

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詳細説明

CRONOS PL

読み方:

くろのすぴーえる

カテゴリー:

#データ集録機器 #物理量測定器

CRONOSはドイツimc社のひずみデータロガーの名称。CRONOS-PLは日本の鉄道車両の試験で使われているモデル。JRが新幹線の走行試験で多チャンネル(16~32ch)モデルを設備導入していて、民間の車両製造会社(川崎重工、日本車輌、日立製作所などの新幹線車両のメーカ)も同じ機材を試験で使用している(imc社の日本での販売は東陽テクニカ)。同様のひずみデータロガーとして自動車車体の試験にはDEWETRON(デユートロン)やDEWEsoft(デューソフト)が良く使われている。

CRONOS PLは2002年にリリースされ、2010年代に後継モデルCRONOS compact(コンパクト)が発売されている。メインフレームはPL-4、PL-8、PL-16がある(数字が大きいほどモジュール用のスロット数が多いので、測定できる入力chを多くできるが、寸法は大きくなる)。測定モジュール(アンプ)はSC2-32やBR-4などがある。たとえばバンドル形名CRONOS-PL-8(/BR-4x8/OFA/GPS/ONKL)は、アンプモジュールBR-4を8枚、メインフレームのPL-8に挿入し、OFAやGPS、ONKLというオプションが付いている(BR-4は入力2chなので、この構成は32ch入力になる)。SC2-32は32ch入力できるが、サイズが大きく4スロットを占有する。測定モジュールは仕様によって数種類あり、選択できる。
鉄道車両の試験ではPL-8にBR-4かSC2-32を装着して16~32chにする構成で使われた(概算価格で約1千万円程度になる、高額な多チャンネルデータロガーである)。ユーザは自社資産とレンタルを組合わせて上手に利用した。JR東海やJR東日本が新型の新幹線車両を継続して開発し、北陸新幹線などの整備新幹線が新設された2000年~2010年代に、JR及び各車両メーカはCRONOS PLで盛んに試験を行った。

imc(正式にはimc Test & Measurement GmbH)社はドイツのベルリンに本社がある、ひずみ計測を主体にしたメーカ。センサから計測器まで幅広いソリューションがあり、自動車の通信規格であるCANバスに対応したCANSAS(カンサス)などの製品もある。自動車は2~8ch程度のチャンネル数が少ないモデルも使われる(鉄道は16~32点/1車両で、数車両を測定するので、32chタイプのCRONOSを複数台同期させることもある)。
またimc社のデータ解析ソフトウェアFAMOSバックエンドとしての波形解析に優れているので、ハードウェアとしてのデータロガーはCRONOS(つまりimc)を使わないが、解析用途ではFAMOS(つまりimc)を使っている技術者もいる。ひずみだけでなく振動などの物理量測定では、データ収集後の解析が重要で、DEWEsoftは元々、DEWETRONの解析ソフトウェアの名称である。ソフトウェアの世界では日本は弱く、欧米企業が世界標準になることはMicrosoftに限らず計測器業界も同じである。

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