ADコンバータ
(Analog-Digital converter)
連続的に変化するアナログ信号を有限の2値(あるいは多値)のデジタル信号に変換する電子回路(電子部品)のこと。表記は様々ある。A/Dコンバータ、A-Dコンバータ、ADC、A/D変換器、AD変換器など。
ADコンバータはデジタルオシロスコープ(オシロ)の心臓部である。デジタルオシロは1970年代に開発されたが、1980年代に高速ADコンバータが普及したことによって一気に広まった。1999年にテクトロニクスが発売したTDS3000シリーズはデジタルオシロの1つの完成形で、長らくデファクトとして使用された(余談だが、TDSは「テクトロ・デジタル・スコープ」の略という話がある)。
2000年代には、測定の機能を半導体デバイスが担うなど、オシロ機能のワンチップ化が進んだことにより、新興国メーカが汎用オシロ市場に参入し、価格破壊を起こした。オシロは、汎用オシロの低価格化と、高額な高帯域オシロ(高速オシロ)という2極化が進んだ。
テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「A/Dコンバータ:デジタル電子部品で、電気信号を離散2進値に変換するもの」とある。
参考記事:デジタルオシロスコープの基礎と概要
・・オシロの歴史の中で、高速A/D変換器を搭載した初期のデジタルオシロの紹介がある。