AC電流プローブ
(AC current probe)
電流プローブの中でAC専用の(DCが測定できない)プローブ。スライド式のトランスに測定対象の導線を挟み、電流検出用に2次巻線に流れる電流から測定対象の電流を算出する。トランスを使った電流変換器(変流器)なので、CT(Current Transformer)やカレントトランスを形名や品名にしているメーカもある。主要な部位がトランスなので、構造が簡単で安価だが、DCは測定できない。ホール素子などを追加してDCから測定できるようにしたのがAC/DC電流プローブになる。
受動素子だけで構成されるのでパッシブプローブに分類されるが、パッシブプローブという表現は電圧プローブを指すことが多く、「パッシブ(受動)型の電流プローブ」とも説明もされる。
オシロスコープ用のAC電流プローブはテクトロニクスのラインアップが多い。岩崎通信機はドイツのPMK社(※)などの代理店をしていて、電流プローブ全般を幅広く取り扱っている。
(※) 岩崎通信機の電子計測部門はPMK社と1990年代から取引をしてきたが、PMKの持ち株会社のハイマンインダストリー(Heimann Industries AG)社に2023年11月に資本参加した。すでに欧州での販売で2005年からハイマングループと取引があり、2020年には合弁で岩通計測ヨーロッパ有限会社を設立している。