86系
インテルのマイクロコプロセッサで末尾が86のCPUの総称。別名、86系プロセッサ、やx86系アーキティクチャなどと呼ばれる。80系の16ビットCPUである8086を元にインテルは1982年に80186、80286を、1985年に80386(32ビット)、1989年に80486と発売した。これらを総称して86系CPUといい、当時のパーソナルコンピュータに広く採用されたCPUである。86系はモトローラの68系CPUと1980年代~1990年代にかけて競った。86系vs68系という比較が当時は良くされていた。
32ビットの80386や80486は高性能だが、計測器であるICE(CPUを使った組込みシステムのソフトウェア/ハードウェア開発を支援するツール)も高性能が要求された。ユーザのターゲットによってはICEが正常に動作しない、ということもあった。マイクロプロセッサと開発環境が高機能化していく黎明・普及期のことである。1990年代後半には、数多くいたICEメーカは整理されていき、2000年代のJTAGなどのオンチップエミュレータの時代となり、2020年代のICEメーカは2000年以前とは様変わりしている。