68系
モトローラのCPUが型番の頭が68だったため、6800、68000、68020、68030などのモトローラのCPUを総称して68系プロセッサと呼称した。68系はインテルの80系、86系のCPUと、1970年代から1980年代にかけて競った。
世界初の8ビットCPU、インテル8080とモトローラ6800は同じ年(1974年)に発売された。80系は当時のパーソナルコンピュータに採用され、68系よりも80系に軍配が上がった。モトローラは1984年に世界初の32ビットCPUである68020をインテルより先に発売(インテルの80386は1985年発売)して巻き返しを図った。このときもインテルの86系CPUの方がコンピュータに多く採用され、68系は普及しなかった。
最先端のCPUを使った開発では、それを支援する計測器であるICEが必須となる。日立製作所は68系のサードパーティーをしていて、68系CPUのICEも系列会社でつくっていた。現在のルネサステクノロジーがICEをつくっている源流である。計測器のデジタル化では、1970年代からCPUの採用が各計測器メーカで始まっているが、80系/86系(インテル)を使うか、68系(モトローラ)を使うかは、時々によって選択されていた。各計測器メーカも色々なCPUを使い試行錯誤を1980年代~1990年代にしていた。