高電圧差動プローブ
(high voltage differential probe)
オシロスコープで高い電圧を測定する時に使用する差動入力型の電圧プローブ。能動素子を使っているのでアクティブプローブの1種だが、この呼称は差動プローブにはあまり使われない。差動ではなくシングルエンドのプローブは「シングルエンドプローブ」以外に、「シングルエンドアクティブプローブ」と呼んでいるメーカもある。つまり、パッシブプローブはすべてシングルエンドなので、アクティブプローブで(差動ではなく)シングルエンドである、ということをいいたい為と推測される。
オシロスコープの世界的トップベンダであるテクトロニクスはP5202A、P5205A、P5210A、THDP0200、TDP1000などラインアップが多い。キーサイト・テクノロジー、テレダイン・レクロイ、横河計測など、主要な大手オシロスコープメーカがつくっている。岩崎通信機は400MHz広帯域のモデル、BumbleBee(PMK社製)を取り扱っている。日置電機はレコーダのアクセサリとして高電圧に対応した「差動プローブP9000」がある。
能動素子は電源供給が必要なため、プローブ・インタフェースによってオシロスコープの入力コネクタから電源を得ることが多くなっているが、モデルによってはオシロスコープに電源用のケーブルで接続したり、別途プローブ用の電源ユニットを併用したりしている。
高電圧測定用にはパッシブ型の「高電圧プローブもあるが、パワーエレクトロニクス分野では差動伝送が多いため、高電圧差動プローブが大変よく使用される。パワー半導体で近年普及してきたSiC(エスアイシー)やGaN(ガン)の評価には差動プローブよりもCMRR(コモンモード除去比)が優れた光絶縁プローブが使われている。