露点計
(dew point meter)
空気中に含まれる水分は気体の状態だが、空気の温度が下がると液体になる。空気中の水蒸気が水滴となる温度を、その空気の露点という。露点計は気体(空気などのガス)の露点温度を測定する機器。「露点温度計」ともいう。空気中の水分の量によって露点温度は変わるので、露点から水分量を算出できる。つまり露点計は気体の水分測定(水分量、濃度%)ができる。これは湿度と同じことなので、湿度計を露点計と呼称している製品もある。露点を理解するには「絶対湿度」や「飽和蒸気圧」などの知識が必要である。露点計には2つの種類(鏡面冷却式、静電容量式)がある。
湿度計ではVaisala(ヴァイサラ)、露点計ではMichell Instruments(ミッシェル)、と海外メーカが有名だが、国産の株式会社テクネ計測もラインアップがある。アズビル(旧山武)には「温度/湿度/露点温度センサー」のような品名の製品がある。
露点とは「空気中の水蒸気が冷やされて水に変わり始める温度」なので「露点温度」というが、これは日常生活で体験する結露である。棒状温度計などの温湿度関連の測定器を豊富にラインアップしている佐藤計量器製作所にはハンドヘルドの「結露チェッカー(SK-130ITHなど)」がある。ヴァイサラにも「ハンディタイプ露点計(DM70など)」がある。海外のElcometer(エルコメータ)社の結露計を取り扱っているレンタル業者もいる(可搬型の結露計は塗料の開発から塗装、塗装後の検査まで、ほとんどの工程で使われる)。結露の測定器は露点計の1種といえる。
SAWデバイスの1種であるボールSAWセンサを使った露点計が2010年代後半に商品化されている。東北大学のスタートアップ企業、ボールウエーブがつくった。測定速度が速いことが特長である。
気中パーティクルカウンタと併用するパーティクルモニタなどのユニークな計測機器をつくる神栄テクノロジー株式会社は、露点計を補完する微量水分計を2023年に産総研と共同開発している。
6月10日は「露点計の日」といわれている。「ろ(6)てん(10)」の語呂合わせからで、気体中の水分管理事業を手掛けるテクネ計測が制定した。梅雨の時期でもあり、露点計にふさわしい記念日といえる。