過渡現象
(transient phenomena)
ある定常状態から別の定常状態に移るまでの現象(電圧・電流などの時間的な変化)。電流や電圧が安定ではなく不安定な期間が過渡で、この時の現象(電圧や電流などの振る舞い)を過渡現象と呼ぶ。電気回路にコイル、コンデンサがあると起こる。過渡現象は過渡応答とも呼ばれる。
コンデンサ(静電容量)が充電や放電をするときは過渡期間である。回路のスイッチをONにして電圧を印加する(電流を流す)とコンデンサの両端の電圧が規定の電圧になるには、短時間ながら時間がかかる。CR回路(抵抗RとコンデンサCが直列接続した回路)に電池をつなぐと、コンデンサには瞬時に電圧が蓄えられるわけではなく、ある時間をかけて電圧が規定値に達する。この所要時間はRC(秒)で、これを時定数と呼ぶ。
電気工学の基礎理論で、「過渡現象」だけで1冊の解説書があり、工学系の学校では、電気・電子工学の科目に「過渡現象」がある。
「過渡現象:電源では、出力のON/OFFなどで状況が急変した場合に、一定期間LCR成分などの関係で独特の電圧と電流の乱れが生じる現象(計測用電源メーカ、高砂製作所の用語解説より)。
英語のtransientは「一時的な」という意味で、日本語では「単発」や「過渡」という熟語が使われる。計測器の名称にも「過渡」や「トランジェント」を使うモデルがある。障害試験器にはファストトランジェントバーストジェネレータという品名のモデルがある。