計測関連用語集

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詳細説明

赤外線

読み方:

せきがいせん

カテゴリー:

#物理量測定器

(infrared)
電磁波の波長区分では、可視光より長く電波(ミリ波)より短い0.7μm~1mm(周波数3THz~400THz)あたりを指している。
可視光で最も周波数の低い(波長の長い)光は赤色である。可視光の赤色の外側なので日本語では赤外線と呼ぶ。英語では「周波数が赤の下」ということで「infra(下の)red(赤)」からinfraredと呼ばれ、infraとredをとってIRと略記される。可視光に近い順番に「近赤外線」(NIR:Near Infrared、約0.76〜1.5μm)、「中赤外線」(MIR:Mid-Infrared、約1.5〜5.6μm)、「遠赤外線」(FIR:Far Infrared、約5.6〜1000μm)という呼称もある(※)。
物体は温度に応じた強さの赤外線を発するので、赤外線センサを利用したサーモグラフィ(非接触の温度計)がある。また赤外線は近距離通信として、家電製品のリモコンにも使われている。サーモグラフィは赤外線の放射エネルギーを検知して温度に換算するので、赤外線放射温度計放射温度計と呼ばれる。サーモグラフィの国産代表メーカである日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」では次の解説がある。「赤外線は波長が可視光の波長よりも長く、およそ1mm(1000μm)よりも短い電磁波。赤外線画像装置(※※)では、一般に大気の吸収の影響の小さい3〜5μmおよび8〜12μmの波長のものが用いられることが多い。」(※※ 熱画像計測装置、いわゆるサーモグラフィ)
可視光で赤色と反対に周波数が高い(波長が短い)紫色よりも短い波長で、X線より長い範囲を紫外線というが、英語では「周波数が紫より高い(超える)」ということで「ultra(超える)violet(紫)」、UVと呼称されている。IRやUVのinfraやultraは英語の言い方だが、UVは一般に広く知られる日本語になり、IRも赤外線関係者にはお馴染みの日本語である。
余談だが、通信用途で実用化された光ファイバは、3つの波長(0.85μm、1.31μm、1.55μm)が信号の伝送損失が少ないという特性を持っている。そのためこの3波長のいずれかのレーザー光を使って光ファイバ通信は行われている。電波の波長による分類だとこれは中赤外線なのだが、通信の分野では赤外線とはいわず、レーザーや光と表現される。自然界にある赤外線ではなく人工的につくったレーザー光を使うためである。重要なインフラとして世界中の基幹通信網の土台となっている光通信は特殊な専門分野である。
(※)赤外線の分類は文献によって波長が様々で、近赤外0.76〜2.5μm、中赤外2.5〜4.0μm。遠赤外4.0〜1000μmや、近赤外0.76〜3μm、中赤外3〜40μm。遠赤外40〜1000μmなどがある。波長数μm以下を近赤外,波長25μm以上を遠赤外(その間を中間赤外)と呼んだり、波長25μm、30μm、50μmを境として、それ以上を遠赤外線、以下を近赤外線と呼称していることもある。

参考用語
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