計測関連用語集

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詳細説明

自記記録計

読み方:

じききろくけい

カテゴリー:

#レコーダ・記録装置 #物理量測定器

円筒形(ロール状)の記録紙に温度(や湿度)を記録する温湿度計(記録計)のこと。別名、自記温湿度計。電気計測器を校正する標準室など、温湿度を一定範囲で管理している部屋に置かれ、何か月もの長期にわたり温湿度の変化を記録することに使われている。
原理は、温度についてはバイメタル(またはブルドン管)の変位(熱膨張)を、湿度については毛髪の伸縮を拡大して、記録計のペンを動かしてチャートに描く。白金抵抗温度計を使い、抵抗の変化を電流に変えて、電流計が温度を記録する方式もある。
「自動的に記録ができる記録計」を略した名称と思われる(「自分で記録する」ので自記、という解説もある)。一度設置して稼働させたら、チャート(記録紙)の交換以外には(原則)操作しない。自動で温度(や湿度)を記録するレコーダ(であり温湿度計)である。機種分類(カテゴリー)を温湿度計にするか、記録計にするかは判断が分かれる。メーカによっては「自記計」や「自動記録計」とも略称される。

温度全般の計測器をラインアップする佐藤計量器製作所 は、シグマⅡ型温湿度記録計などがあり、「自記記録計(温湿度)」のタイトルで4モデルを販売している(2023年11月)。いすゞ製作所は自記温湿度計の老舗だが、2022年に生産中止した(毛髪やドラム時計などの部品が入手できなくなったため)。日本計量機工業株式会社ホームページには、自記温度計・温湿度計としてNWR-9901(温度のみタイプ)、NWR-9903(温度・湿度タイプ)が掲載されている。記録日数を1~99日の間で変えることができる、食品・薬品倉庫、美術・博物館、標本庫、クリーンルーム、研究所などに販売実績がある、国家標準へのトレーサビリティ書類を発行可能、などの説明がされている。

JIS Z 8806(湿度測定方法)では、毛髪湿度計が定義されている。自記記録計(温湿度計)は、毛髪の湿度による伸縮から湿度を算出している。機構が機械的な毛髪式自記記録計は、湿度センサと、紙を使った記録計の組み合わせより安価なため、日本では標準室や美術館などで導入されている。紙で残すのは改ざんされにくいという理由もあるらしい。温度の測定と記録なら、小型のデータロガーで性能が良くて安価な製品が増えたが(たとえばおんどとり)、自記記録計はいまでも置き換わらずに多く稼動している。

参考用語
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