耐圧試験器
(withstand voltage tester、dielectric strength tester、insulation resistance and withstanding voltage tester)
電気製品に高電圧を与えて耐性を試験する測定器。安全規格の測定器や安全関連測定器に分類されている。機器が取り扱っている電圧に対して、絶縁耐力が十分か、絶縁破壊しないかを確認するために、絶縁抵抗や、高圧を印加した際の微量な漏れ電流を測定することが安全規格で規定されている。そのため、耐電圧試験器や、絶縁耐圧試験器とも呼ばれる。耐圧試験器や耐圧試験装置の呼称が多いが、メーカによっては耐電圧試験器を名称にしている場合もある。
家庭やオフィス、病院などで使用される電気機器に5kVまでの電圧を印加する計測器を菊水電子工業や日置電機を筆頭に安定化電源や絶縁抵抗計(メガー)をラインアップしている複数の計測器メーカがつくっている。工場やビル(受変電関連など)の高圧機器の耐圧試験器は、高圧機器の試験に特化している双興電機製作所(SOUKOU)やムサシインテック、デンソクテクノ(旧京濱電測)などがつくっている。こちらのモデルはキャスター付きの大型モデルが多い(以下の参考記事が詳しい)。
電圧ではなく、通信量(トラフィック)の負荷をかける通信計測器を負荷試験機と呼び、IP負荷試験装置などがある。日本語では「(通信の)耐圧試験器」という表現をするので、本稿の(電圧の)耐圧試験器と間違いやすい。通信の話をしている前提では単に「耐圧試験」や「負荷試験」ということが多く、通信に不慣れな人は高電圧で耐圧を評価する試験と思いがちである。通信の負荷試験機は英語ではtraffic generator(トラフィック発生器)やnetwork performance tester(ネットワーク性能の試験器)などである。trafficを日本語では負荷と表現しているのは、electronic loadを電子負荷装置という日本語にしているのとも混同される懸念を筆者は感じる。計測器の日本語表記で「負荷」は曲者である。