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計測関連用語集

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詳細説明

石炭火力発電所

読み方:

せきたんかりょくはつでんしょ

カテゴリー:

#その他

現在の日本の火力発電所は石油(やLNGガス)が主力だが、まだ古い時代の石炭発電所(石炭発電や石炭火力と略記される)が多くある。東日本大震災(2011年3月11日)以降の原発の停止分を補うため、老朽化して停止していた石炭発電も稼働を余儀なくされた。
日本の三菱重工などは世界に誇れるCO2の少ない火力発電施設をつくる優れた技術がある。政府はエネルギー基本政策に基づき石炭発電を輸出する企業を支援することを2018年に閣議決定して、インフラ輸出の柱の1つにしてきた。ただし、温暖化ガス抑制の機運の中でCO2を排出する火力発電所は世界的に減少方向にある。2020年に発足した菅(すが)内閣は脱炭素を政策にしているため、石炭発電の輸出支援の新規案件の全面停止を決定し、方針転換となった。脱炭素が遅れている日本には、地球温暖化対策を推進する国連から「石炭発電は2040年までに全廃する」ような要望もでた。2021年11月のCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)では石炭火力発電所の段階的削減に日本は合意した。経済成長している東南アジアでは火力発電の新設があり、日本企業は大きなビジネスをしているが、現地政府の政策変更によって、重工メーカや商社の売上は激減した。
火力発電所の保守には計測器が使われている。石炭火力発電所が再生可能エネルギー(太陽光や風力の発電所)に置き換わっていくと、使用される保守用の計測器もモデルが変わっていくが、メガー(絶縁抵抗計)やテスタなどは引き続き使用される。
ロシアのウクライナ侵攻(2022年2月勃発)によって、世界中のエネルギー政策は一変した。脱原発、カーボンゼロを標榜していたドイツは、経済安全保障としてロシア産のガスに依存しないために、火力発電所の完全廃止を撤回し、一部の火力発電所を温存する方向で検討を始めた。「日本は高効率の(CO2排出量が少ない)火力発電所の技術があるので、それを輸出することは、インドなどの非効率な火力発電所を置きかえてCO2削減に貢献する方策である」という意見も出ている。
稼働させてきた老朽火力発電所の廃止などにより、2022/3/22に「需給ひっ迫警報」が経済産業省から発令されるなど、日本の安定的な電力供給について、岸田内閣の長期的なエネルギー政策が期待される。