計測関連用語集

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詳細説明

温度ロガー

読み方:

おんどろがー

カテゴリー:

#データ集録機器 #物理量測定器

温度計に記録機能(ロガー)が付いた測定器。メーカによっては品名は「温度記録計」である。部屋の温度を長時間にわたりロール紙に記録する、設置型の温度記録計は昔からあり、現在も標準室などの温度管理が必要な部屋で使われている。「温度記録計」というと、このタイプを指すことが多い。温度計にはアナログ出力などで測定データを外部機器(レコーダなど)に記録できるモデルが多いが、最近の温度計はデジタル式になり、メモリを内蔵して、測定器自身に記録機能がある。そのようなモデルは温度記録計(または温度ロガー)といえるので、温度計と温度記録計の堺は曖昧ともいえる。
温度測定器のトップメーカである安立計器には温度計、温度記録計など多くの温度測定の製品群がラインアップされている。1994年にティーアンドデイは小型の温度データロガー、品名「おんどとり」を発売した。今までにない斬新なコンセプト(小型・軽量・安価、校正対象外(当時))であった。工場などの多くの場所に設置して温度を記録し、温度測定のデータ収集を効率良く行えるため大変重宝で、1999年には無線で測定データを送るモデルも発売された。温泉の浴槽におんどとりが使われている例もある。現在、「温度ロガー」というとこのおんどとり(か他社同等製品)をまず指すようになった。最近では計測器大手の日置電機もおんどとりとほぼ同じコンセプトの温度ロガーを発売している。老舗の安立計器は2019年に多チャンネル温度ロガーのシリーズ(有線と無線の2方式)を発売している。
無線式の多チャンネル温度ロガーとしては、おんどとりとはコンセプトが違うモデルを、アドバンテストの新事業企画部門が2015年に発売した。PCのUSB端子に装着する通信ユニットと、目的に応じた測定ユニット(小型の箱)で構成され、同等品が無いユニークな製品である。2017年には温度以外に電圧、ひずみも測定できるモデルをラインアップに加え自動車市場などで無線式ロガーとしてシェアを伸ばしている(AirLogger WM1000/2000シリーズ)。自動車業界向けの計測器が多い小野測器は2022年に「無線温度計測システムWC-1000 / WT-1000シリーズ」を発売したが、製品構成はアドバンテストのAirLoggerとほぼ同じである(競合の登場によってAirLoggerはオンリーワンではなくなった)。

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