計測関連用語集

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詳細説明

波長

読み方:

はちょう

カテゴリー:

#その他

(wavelength)
波で、「隣り合った同じ位相(山と山、谷と谷)の間の距離」を一般には波長という。電気の世界では「電磁波の一つ分の波の長さ」を意味する。「波が1回振動したときの距離」や「波動の周期的な長さ」とも説明される。
人間の目が光として感じる電磁波(可視光)の波長は、下限:360~400nm(ナノメータ)、上限:760~830nmで、下(短い波長)の紫色から上の赤色まで虹のように色が分布している。可視光より短い波を紫外線※(波長10~400nmあたり)と呼ぶのは、波長軸で「可視光(紫色)の外」の電磁波というネーミングである。紫外線の英語、ultravioletは「周波数が紫(violet)を越える(ultra) = 高い」という意味。さらに10nmより短いとX線などになる。同様に波長が700nm~1mmの範囲を赤外線と呼ぶ(紫外線と同じく、「波長が赤色の外」というネーミング)。波長が1mmより長いと電波の領域になり、1mm~10mm(1cm)はミリ波と呼ばれる。ミリ波は波長がミリメートル(mm)の電波である。
※ 電磁波は○○線や△△波と呼称される。例:紫外線、赤外線、X線、ミリ波、マイクロ波。

DVDに使われるブルーレイディスクの青紫色の波長は405nm、CDなどの赤色の波長は650nm(ともにLEDレーザー光)。光ファイバを使った光通信で使うのは830nmや1130nm、1550nmなどの波長である。1970年代から1990年代に基幹通信網に光ファイバが普及したときは800nm~1600nmあたりの波長をカバーする光測定器が開発されたが、その後ブルーレイディスクなどが登場し、光パワーメータ光スペクトラムアナライザも400nmくらいまでの短波長に対応するようになっている(光測定器は通信用途の波長を測定するために開発されたので、通信ではなく音響・映像機器の用途に対応した場合は、「短波長のモデル」と表現される)。光ファイバを使う光通信は実は赤外線なのだが、あまりそのことに触れないのは赤外線が他の用途に使われるためである。たとえば放射エネルギー(熱放射)を利用して非接触で温度を計測する(放射温度計サーモグラフィ)など、赤外線は熱エネルギーの利用が活発なため、光通信で使う電磁波を赤外線と呼んで混乱させることを避けている、と筆者は解釈している。

赤外線の波長範囲は広く、3000nm(3μm、0.003mm)~1mmは遠赤外線と呼ばれる。これも波長軸で見て「可視光(赤色)から遠い赤外線」というネーミングである。多くの物質・材料(水、プラスチック、塗料、食品など)が波長2μm~20μmの赤外線を良く吸収する性質がある。そのため遠赤外線はこれらに熱を良く伝える。この原理を応用したのが遠赤外線ヒータ。遠赤外線が当たると物質の中の分子の振動が大きくなり、温度が上がる。温度が上がると、それに相当する赤外線が放射される。ストーブ、ハロゲンヒータ、こたつなどは発熱体から放出される赤外線で体が温まる。発熱体に触れている空気も伝導で熱が伝わって暖まり、対流が発生して部屋全体の空気もゆっくり暖まる。遠赤外線の波長は人の皮膚の分子の振動周波数に合っているため、人体表面で良く吸収され熱となり、体が温まる。このように赤外線は熱エネルギーとして利用されている。
以上のように、電磁波の名称は日本語では波長から命名されていることが多い(ミリ波はまさに、波長がmmオーダの波のことである)。

電磁波の波長と周波数は反比例する(波長が長いほど、周波数は低い。以下の参考記事に関係図がある)。一般にRFと呼ばれる電波の周波数はMHz帯域で、波長は数10cm~数100mである。波の高い位置と低い位置では電磁波の状態(エネルギーなど)が異なる。MHz以下の周波数の波長は数100m以上なので、電子機器の大きさに比べて大きいため、波の位置による影響はほとんど無視できる。ところがMHzより高いGHzになると波長がcm単位に短くなり、電子機器にとって無視できなくなる。マイクロ波やミリ波では電磁波を通す導波路に、特別な高周波の理論が使われる(導波管セミリジットケーブルなどがある)。波長は電磁波の振る舞い(扱い方)を理解する上で重要な項目といえる。
電気エンジニアは、周波数・時間・波長の値や、電圧電流電力の値などを自然に頭の中で把握して仕事をしている。特に波長は高周波で重要な数値といえる。

参考記事
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