波形重ね書き
オシロスコープには「波形の重ね書き機能」がある。信号波形の1周期の長さ(波長)にはばらつきがある。1周期が10nsの信号の精度が0.01%だった場合、9.999ns~10.001nsの範囲になる。1周期の波形をオシロスコープの画面いっぱいに表示させて重ね書きすると、立ち上がりや立ち下がりのスロープが同じではないために、塗りつぶされた波形は太さを持った線になり、信号のばらつき具合が一目でわかる。周期のずれ(時間のゆらぎ)をジッタ、1周期の重ね書き波形をアイパターンと呼ぶ。
実際の電子機器の信号波形は時間だけでなく振幅も変動する。信号がL(Low、ロー)からH(High、ハイ)に遷移するときにオーバーシュートが起きることもある(逆がアンダーシュート)。この現象で大きな電圧値の鋭い波形が発生すると機器の誤動作の原因となり、品質が良いとはいえない。このように、波形重ね書きはオシロスコープの重要な機能である。