標準室
(calibration standard room)
標準器を管理する施設(部屋)のこと。計測の世界で標準器とは、計測器を校正するのに使う校正用標準器を指している。そのため正確には「校正用標準器室」といえる(「標準器室」と呼称している場合もある)。標準器を使い校正作業を行う施設を校正室と呼ぶので、標準室と校正室はほぼ同義である。電気計測器を多く資産で保有している会社は「電気標準室」と呼んでいることも多い。その意味では、標準器と校正器もほぼ同義である。
校正の結果は校正証明書(校正を実施したことのエビデンス)として保管される。測定結果を記録するデータシートは試験成績書と呼ばれる。日本ではトレーサビリティ証明書を含めて、校正書類3点セットと呼ばれる。
標準室は、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定があり、温度・湿度の管理が定められている。そのため、自記温湿度計や自記記録計と呼ばれる温湿度の記録計が施設内に設置され、温度や湿度の変化推移を紙(チャート)に記録し、エビデンス(証拠)として保存している。いまどき電子データではなく紙なのは、改ざんがしにくいことが理由の1つといわれている。