計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

詳細説明

校正

読み方:

こうせい

カテゴリー:

#その他

(calibration、proofreading)
計測器が正常であるか否かを試験すること。使用者が決めた校正周期に従って定期校正を行い、計測器の品質管理の根拠となる。日本産業規格のJIS Z 8103 : 2000では、「計器(又は測定系)の示す値、もしくは実量器(又は標準物質)の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業」とある。近年は「不確かさ」という考え方の導入が進み、校正対象の機器と標準器の値に差があっても、単にその値を校正データシート(校正作業の結果を証明するエビデンスのシート)に表記するのではなく不確かさを表記している例も増えている。
一般には校正とは、標準器と測定器(校正対象)の値に差があったら測定器を標準器に合わせて変更する(つまり調整する)、と思われがちだが、校正には、計器を調整して誤差を修正することは含まない。そのようなことをしたら、その計測器がどのように精度を変化させていったかの履歴がわからない。標準器とはどれだけ差があるかをそのまま、記録していくことに意味がある(むろん、あまりにも精度を外れた測定値になれば、調整の必要が出る場合もある)。使用者は校正データシート(別名:試験成績書)を見て、自分が使う測定器にはそのような差があることを理解することが大事である。定期校正を実施した測定器が精度が良くなって戻ってくると思ったら大間違いで、初心者は誤解しやすい。標準器に校正対象の測定器の測定値を合わせてほしいなら、「校正と調整」を依頼する必要がある。
校正だけでなく調整をするかどうかは、その会社の計測器の精度維持管理の方針による。計測器は定期校正が必要だが、どんな規定に基づいて校正するか、使用する使用者、管理者が決めることが肝要になる。
校正は古くは「較正」と書かれた(現在でも較正と表記している場合がある)。校正の英語であるcalibrationを日本語にした「キャリブレーション」という言い方も良くされている。両者はほぼ同義に使われていることが多いが、「校正は調整を含まないがキャリブレーションは調整を含む」、という解説もあるので、使用例に注意がいる。キャリブレータは「キャリブレーションするもの」なので校正器を連想するが、計装で使われるプロセスキャリブレータのことを指していることが多い(つまり、一般的な校正の機器ではなく、限られた特定の計測器を指している)。校正とか、キャリブレータとか、計測は独特の世界(村社会)である。

参考用語:
校正証明書トレーサビリティトレーサビリティ証明書
較正ISOJCSS産総研
ガードバンドマルチキャリブレータコンパクトキャル

参考記事
計測器情報
速納.com オシロ値引キャンペーン