擬似
本物を真似てつくられたものや、本物の代わりになるように模倣された状態を意味する。計測器ではシミュレータ(simulator)やエミュレータ(emulator)は「模擬している」や「擬似○○」と表記されることが多い。計測器の品名の例は以下。
擬似電源回路網(協立テクノロジーKNW-407、アンリツMN425B)、擬似線路(東京理工研究所TR-8058)、擬似音声発生器(アンリツMG11A、菊水電子工業KSG3600)、ISDN擬似端末(アンリツEQ612A)、擬似交換機(アドシステムズX-4108、甲賀電子KG-3008、ニシヤマEXCEL-A004、ハウND4T-EXCH)。このようにその機種群の有名なメーカはほとんど「擬似」を品名にしている(一部のメーカの製品には疑似もある)。ただし、通信計計測器の代表例であるコールシミュレータの別名は「疑似呼」で、擬似呼ではない(※)。「微少」と「微小」は計測器メーカによってどちらかが使われていて(たとえば微小電流計、微少測定など)、どちらが多いとはいえない。
(※) 疑似呼の国産唯一のメーカであるアンリツは1980年代まで疑似呼をつくっていたが、1988年発売のEF101Aからコールシミュレータが品名になり、現在は疑似呼という製品はない(同社HPには疑似呼の資料はない)。筆者は1980年頃に疑似呼という表記を見聞きしているが、いまでは(2025年現在)疑似呼という表記はネットワーク上にほとんどないので、擬似呼ではなく疑似呼である、と断言する確証が弱い。文献の裏付けがないので、筆者の記憶の範疇と思っていただきたい。
擬似を英語にすると形容詞のpseudoになる。この単語の意味は「偽性」、「まがいの」で、悪い意味の「偽物(にせもの)」を指している。シミュレータは日本語で「擬似○○」と表現されることが多いが、そのまま英語に翻訳することはできない。
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