摺動トランス
(sliding variable transformer)
電圧調整用の変圧器。英語を直訳すると「摺動 可変 変圧器」。単巻トランスの巻線に接触したブラシ(スライダー)が動く構造をしている。摺動(しゅうどう)とは滑らせる(sliding)ことで、つまみを右に回すと電気が流れるコイルの長さが長くなり、出力側の電圧が高くなる。入力電圧を0Vから連続的に可変できる「摺動式電圧調整器」である。
トロイダル変圧器(ドーナツ状の鉄芯)に巻かれたコイルの一部を入力とし、摺動ブラシで巻数を変えることで、入力(例:100V)より多い巻数部分から出力を取り出し、高い電圧(例:130V)を得ことができる(モデルによっては昇圧できない物もある)。AC コンセントから交流を入力し、100Vより高圧の電圧を出力できるので、交流電源の1種といえる。構造が簡単なため安価で、ひずみの少ない出力を得られるが、単巻きトランスのため絶縁はされておらず、周波数変換もできない。
一般には摺動トランスよりもスライダックという呼び名が普及している。山菱電機(株)は「電圧調整器、電力調整器(ボルトスライダー)」、(株)松永製作所は「摺動電圧調整器(スライドレギュレーター)」 、(株)東京理工舎は「交流電圧調整器(スライドトランス)」を製品名にしている。(2026年2月現在、各社のHPより)
つまり本稿の「摺動トランス」という用語は機種群を示す総称で、各社の品名は様々である。一番良く使う「スライダック」は登録商標のため、摺動トランスをつくるメーカはこの呼称を使用していない。電圧調整器では変圧器であることがわかりにくいので、各社はかっこ書きでカタカナの注釈をしていると思われる。
摺動トランスは交流電圧の変換器なので、交流電源(ACコンセントの電圧から任意の電圧をつくりだす)といえる。
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