抵抗ディバイダプローブ
(resistance divide probe、probe divided by resistance)
50Ωの同軸ケーブルを使った、最も周波数帯域が高いパッシブプローブ。通常のパッシブプローブは低容量の同軸ケーブルを使い、主要なオシロスコープ(入力インピーダンス1MΩ)につながるが、抵抗ディバイダプローブは50Ωのオシロスコープでないと使えない(50Ωフィードスルーコネクタを併用すれば一般の高インピーダンスのオシロスコープでも使える)。分圧プローブが抵抗だけでなくキャパシタンスを加味して分圧しているのに対して、キャパシタンス成分の少ない50Ωケーブルを使い、抵抗だけで分圧するプローブ(抵抗分圧プローブ)である。メーカによって抵抗プローブやトランスミッションラインプローブ(テレダイン・レクロイ)など、名称が統一されていない。
デジタル・オシロスコープ入門(1992年発行、YHP 小宮博之・斎藤城太郎著)の「1-4-3 各種のプローブ (4) 抵抗ディバイダ・プローブ」には次の説明がある。「50Ωケーブルを使用することでケーブル内のキャパシタンスの影響を排除できますが、プローブの入力抵抗は低くなります(50Ω×プローブの分圧比)。入力容量はプローブ・チップの浮遊容量だけであり、非常に小さな値となっています。代表的な入力キャパシタンスは1pFです。」また同書には性能の一例として、「分圧比1:1だと入力抵抗50Ω、20:1では1kΩ、100:1では5kΩ」などの記述がある。
キーサイト・テクノロジーには10020A 抵抗ディバイダ・プローブ・キットがあった(製造中止で標準の後継モデルはない ※)。横河計測の抵抗プローブ 701974(PBL5000)は減衰比を20:1と10:1にでき、入力抵抗/入力容量は950Ω/約0.4pF(20:1)、450Ω/約0.25pF(10:1)で、周波数帯域DC~5GHz、価格160,000円である(2024年9月現在)。テクトロニクスには現役モデルはなく(2024年9月現在)、過去にあったかは不明。
前述の文献では抵抗ディバイダプローブを1つの節を使って解説しているので、1990年代には特筆するプローブだったと思われるが、2020年代のいまは主要なオシロスコープメーカがすべてラインアップしているわけではないので、需要は少ないと推測される。
※ キーサイト・テクノロジーには生産中止にした抵抗ディバイダプローブ「10442B ミニチュア・パッシブ・プローブ(10:1、2m、500Ω)」の後継に、「N2874A パッシブプローブ(10:1、1.3m、1.5GHz)」がある。N2874Aの仕様には「50Ωのオシロスコープ接続時の入力抵抗は500Ω」とある。また、「50Ω入力を持つInfinniVisionとInfinniumシリーズ・オシロスコープで使用できる。50Ω伝送ラインまたは信号源インピーダンスが小さい(<50Ω)信号の測定にお勧めする。」とも説明されている。この説明は、明らかに抵抗ディバイダプローブであるが、同社HPの製品説明(2024年10月現在)には一言も「抵抗ディバイダプローブ」という表現はない。アプリケーションの説明内容はトランスミッションラインプローブのようである。
このように、計測器メーカ各社の製品名称や品名、説明内容は統一されていないので、初心者には計測器はわかりにくいといわれる所以である。

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