微差圧計
(minute differential pressure gauge)
低圧の圧力計のこと。約500Pa(パスカル)以下の微小な圧力差を測定するマノメータ(圧力計)を指す。圧力計には数百MPa(メガパスカル)を測定する高圧用の物もある。高圧や低圧、微差圧が何Paかは文献によって定義が同じではない。
空気は圧力の高いところから低いところへ流れるため、室内の圧力を外よりも高くすることで、汚れた空気を室内に入れないようにできる。クリーンルームではこのように空気の流れを制御(監視)している。微差圧計はこの制御に使われる。陰圧室は周囲より気圧が低いため、室内の浮遊物は外に流出しないので、病原微生物などの拡散を防止しするときに利用される。2019年末から世界中に感染拡大した新型コロナウイルスの病室は陰圧室である。病室内の空気圧の圧差は2.5Pa以上に維持することを、CDC(米国疾病予防管理センタ)は推奨している。このような数Paオーダーの測定に微差圧計は使われている。
1961年に国産初の微差圧計を開発した山本電機製作所は、2022年に0~10Paレンジの小型製品(サイズ30×30mm)を発売している。同社によれば、「微差圧計:当社では“1000Pa以下の差圧を計測できる計測器”を微差圧計と呼んでいる。元々差圧の中でもごく僅かな圧力の範囲をあらわす“微差圧”という言葉には明確な定義はない。計量法で定められた圧力の基準器から考えると、一般的には100kPa以下の圧力レンジと言われている。」