垂直軸分解能
(vertical resolution)
波形測定器(波形表示する計測器)には垂直軸の分解能が規定されているが、「垂直軸分解能」というと一般的にはデジタルオシロスコープ(オシロ)の電圧の分解能(測定精度)を指すことが多い。ただし通常は電圧値はカタログ仕様には記載されていない。記載されている数値はA/D変換器のビット数である。サンプリングによってアナログの電圧値をデジタルデータにする細かさ(精度)はA/Dコンバータのビット数で決まる。そのためビット数が垂直分解能といえる。
デジタルオシロのA/D変換器は従来から8ビットで、モデルによる違いはない。ところがオシロで電圧も精度良く測定したいというパワエレ市場の需要などから、2011年に12ビットのA/D変換器を搭載して電圧の解析機能を向上させたモデルがレクロイから発売され、2018年頃から他社も追従してGHz帯域の高性能モデルに広がった。単にA/D変換器のビット数だけでなく有効ビット(ENOB)という指標も注目されるようになった。有効ビット数はダイナミックなA/D変換器の特性を示す指標のため、ノイズや歪の影響を判断する材料となる。垂直軸分解能の性能が向上した「高分解能オシロスコープ」が、2020年代には汎用オシロスコープの標準になりつつある。
テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「垂直軸分解能:デジタル・オシロスコープのADコンバータが、どれだけ正確に入力電圧をデジタル値に変換できるかを示し、ビットで表す。ハイレゾ・アクイジション・モードなどの計算により、有効分解能を引上ることができる。」とある。8ビットのA/D変換器で得たデータを平均化処理(アベレージング)することで、分解能を高める機能を「ハイレゾ」と称している。high resolutionの略である。resolutionは「解像度」「解決(solution)」などの意味があり、この場合は「分解能」と訳されている。


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