計測関連用語集

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詳細説明

回路素子測定器

読み方:

かいろそしそくていき

カテゴリー:

#回路素子測定器

電子回路に使用される素子(電子部品やトランジスタなどの半導体)の値を計測する測定器。代表はLCRメータ。抵抗(R)測定に特化した抵抗計は種類や名称が多い。絶縁抵抗計超絶縁抵抗計メガーエレクトロメータIRメータ。低い抵抗を測定するミリオームメータ低抵抗計接地抵抗計ブリッジ。それぞれ、測定する抵抗の値や用途などアプリケーションによって適切な抵抗測定器がある。
キャパシタ(静電容量、コンデンサ、C)を測定するのはCメータ(キャパシタンスメータ、容量計)だが、LCRメータのNo.1メーカであるキーサイト・テクノロジーが以前発売していたが、いまは生産中止で、日置電機とエヌエフ回路設計ブロックにはラインアップがある(2022年8月現在)。インダクタ(コイル、L)の値を測定する専用器は無い(通常はLCRメータで測定する)。トランスなどの変圧器のコイルの巻き線比はレシオメータで測定できる。リアクタンスの指標であるQ値(クオリティーファクタ)を測定するQメータがあったが、いまはLCRメータで代用されている。
LCRメータは試料(DUT)に交流を印加してインピーダンスを測定し、等価回路(RとCの直列とか、RとLの並列とか)によって抵抗成分(R)とリアクタンス成分(CやL)の値を算出する。なので交流インピーダンス測定の計測器である。DUTに印加する信号の周波数が1MHz付近を境に品名が、LCRメータ(50Hz、100kHzなど)、インピーダンスアナライザ(3MHz、3GHzなど)と分かれていたが、最近は境が曖昧になっている。回路素子測定器が測定するL、C、Rは集中定数回路の値であり、高周波(RFマイクロ波など)で使われる電子部品を分布定数回路で評価するのはネットワークアナライザ(ネットアナ)になる。そのためLCRメータやインピーダンスアナライザなどの回路素子測定器は、ネットアナやFRA(周波数特性分析器)と一括りにした分類をされることもある。また、LCRメータは材料評価にも使われるので、B-Hアナライザのような磁性体測定器と同じ分類にしている計測器の解説書(事典)もある。
DUTを接続する治具(じぐ)はLCRメータやネットアナではテストフィクスチテストリードと呼び、DUTとの接続はケルビン接続(4端子法)が使われる。DUTに応じた治具のカスタマイズも行われている。DUTにDCを重畳したい場合はDCバイアスアダプタやバイアスカレントソースなどの別売アクセサリを用意しているメーカもある。
メガーのような現場測定器はそれだけで一群をなしているので、たとえば日置電機は絶縁抵抗計と回路素子測定器(LCRメータ)を別分類にしている。メガーは電気機器の絶縁状態を確認する保守用途であり、抵抗測定はその手段に過ぎない。メーカによっては電子部品の抵抗成分を測定するLCRメータなどの回路素子測定器に絶縁抵抗計を分類していないケースもある。

参考記事: LCRメータの基礎と概要 (第1回)・・交流インピーダンス測定や測定器を図解。
計測器情報:回路素子測定器の製品例・・「カテゴリーから探す」を選択すると下位の分類に絞れる。

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