計測関連用語集

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詳細説明

器差

読み方:

きさ

カテゴリー:

#その他

(instrumental error)
測定器が示す値(指示値など)と、本来示すべき正確な値(真の値)との差。JIS(日本産業規格)では「器差:1.測定器の示す値から示すべき真の値を引いた値。2.標準器の公称値から真の値を引いた値」と定義している。
個別の機器がもつ誤差のことを「その器の(真値との)差」という意味で器差と呼んでいるようだが、通常、電子計測器の業界では誤差や精度、確度などの用語が使われ、「器差」なる表現は限られた機種群だけで使われている(多くの電気計測器メーカの用語解説には「器差」は無い)。たとえばノギスマイクロメータなどの寸法測定器は器差という用語を使っているようである。寸法測定器メーカのホームページで、「測定機器が持つ精度のことを器差という」という解説があった。医科器械メーカの用語解説にも器差があるので、医療器具でも誤差や精度のことを表しているようである。
当サイトのお問い合わせフォームに「温度計のモデル○○の器差はいくつですか?」という技術相談があり、○○の製品カタログなどの資料にはどこにも記載がないので、メーカに確認したら、「器差は仕様で規定していません、精度は△△です」という回答だった。つまり電気計測器である温度計には器差なる概念は無いのである。一般に計測器には精度や確度、分解能などの仕様の規定はあるが、器差を明記しているメーカや機種はほとんどない(上記のように寸法計測器ではしているようである)。
JISの計測用語で誤差のことを器差と規定しているため、「校正とは、器差を知って、計測器と真値の差を・・・」といいたくなるが、ほとんどの計測器の校正事業者は器差なることばは使っていない。計測器の精度/品質管理である校正でも、器差という表現は使われていない。電気計測器全般ではなく、ごく限られた機種群で使う用語といえる。JISに器差の規定があるのに電気計測器では使われていない理由は不明。
一口に計測(や測定)といっても、業界によってJISのどの範囲を参照するか同じではないと推測される。計測(測定)の分野は細分化されていて、各村では流儀(用語などの使い方)が違うので、どの村のことばなのか把握することが肝要である(素人にはめんどくさい話である)。たとえば電気計測器と科学分析機器では使われる用語に違いがある。

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