二端子対回路
(two-terminal pair network、two ports)
入力端子対と出力端子対の2組の端子からなる電気回路やデバイス。合計4端子なので四端子回路とも呼ばれる。トランジスタも2端子対回路の1種といえる。
入力と出力の電圧と電流の条件を変えて、それぞれの関係を特有のパラメータで示すことで、等価回路を使った便利な計算をすることができる。このパラメータを使うと、入力と出力の間にある回路の内部を無視して、ある特性を持った暗箱(ブラックボックス)として扱い、回路の分析を単純化できる。
二端子対回路で入力と出力の電圧と電流の関係を示すパラメータとしてZパラメータ、Yパラメータ、hパラメータ、gパラメータ、Fパラメータがある。これらパラメータはすべて行列で表現される。たとえばZパラメータは「入力または出力端子を開放し、流れ込む電流を0にしたとき」の入力電流・電圧、出力電流・電圧の関係を示した数式である。
二端子対回路で電力の関係を示しているのが、ネットワークアナライザで使われるSパラメータ(Scattering parameter、散乱パラメータ)である。
二端子対回路は入力と出力の関係に着目して、その回路網やシステムを等価回路に置き換え、ブラックボックス化して、システム(系)の伝達関数を使って分析や計算を便利に行う物理・数学の手法で、電気や計測でも大変よく応用される。