計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

詳細説明

事務機

読み方:

じむき

カテゴリー:

#その他

(business machine)
複写機(コピー機)などの、事務所(オフィス)にある機器のこと。プリンタも含まれる。以前はFAX(ファクシミリ)も多かった。最近の複写機は企業内のネットワーク(LANなど)につながり、各人が使うOA PCから印刷ができる。またスキャナーやFAXの機能がある。そのためコピー(や複写)機ではなく複合機といわれている。事務機の大手メーカは、キヤノン、リコー、コニカミノルタ、富士フィルム(富士ゼロックスを含む)など(これらのメーカは精密機器メーカとも呼ばれる)。家庭用のインクジェットプリンタは国内ではキヤノンとエプソンで寡占している。

複写機、プリンタ、ファクシミリなどの事務機の開発・評価にはそれぞれ必要な測定器がある。複写機はドラムにインクを吸いつける構造の為、静電気を測定する「静電表面電位計」が評価に使われる。表面電位計は海外のTreck(トレック)社が有名だが、同社は2019年にAdvanced Energy(アドバンスドエナジー)に社名変更している。ファクシミリにはファクシミリテスタという、ファクシミリ専用のモデムテスタがあった(安藤電気のAE-3103形ファクス試験器など)。
1980年代はLANが普及以前の時代だが、事務機メーカは各種の通信方式を製品に導入するために検討していた。そんな需要に応えて、安藤電気はそれまで大型だったプロトコルアナライザ(プロアナ)を小型化し、ベンチトップモデルAE-5103を開発した。データ回線用診断器(※)AE-5103形データコミュニケーションアナライザは、当時の最先端の記録装置であるFDD(フロッピーディスクドライブ)を装備していた。これをさらに小型化してポータブル(可搬型)にしたのが、業界標準として(HPよりも売れたといわれる)AE-5104やAE-5105である。
(※)電電ファミリーとして多くの有線通信測定器をNTTに収めた安藤電気はプロアナの老舗だが、この測定器は1980年頃までは国内では「データ回線試験器/診断器」と呼ばれていた。その後、コンピュータやデータ通信の普及によってこの測定器の需要が高まり、メーカが増えて「プロトコルアナライザ」や「オンラインモニタ」という呼称が生まれた。安藤電気の品名はprotocol analyzerではなくdata communication analyzer(データ通信の解析器)である。安藤電気の製造部門ではAE-5100シリーズを「回アナ」と呼称していた(データ回線試験器→回線アナライザ→回アナ)。

「事務機」というとまるで文房具に近い語感であるが、コンピュータの巨人IBM は「International Business Machines Corporation、つまり国際事務機株式会社」を略した会社名である。事務機はITや計測器に大いに関係していることばである。オフィス向け事務機はエレキ(電気)とメカ(機械)だけでなく化学、光学などの技術のすり合わせが必要で、日本メーカが世界シェア80%以上を占めている。ただし、コロナ禍によるテレワークでオフィスの出勤率が低下し、紙に印刷する需要は激減した。2023年5月に、リコーと東芝テックは事務機の生産部門を統合して新会社を設立する、と発表した(競合と合弁しないと生き残れないということである)。2022年のレーザー複合機(いわゆるレーザープリンタ)の出荷台数は、両社を合算すると世界トップになると推定される。以前はシャープも大手事務機メーカの一角だったが、中華資本になって撤退している。企業の業務デジタル化が進行しているので、今後は事務機メーカの整理統合が(2000年代の携帯電話メーカのように)進むかもしれない。

プレミアム会員様限定限定クーポンを手に入れよう !