レコード長
(record length)
デジタルオシロスコープ(デジタルオシロ)でサンプリングした波形を記録する長さをレコード長(メモリ長)という。レコード長はポイント数もしくはワード数で表現される(例:10kポイント、10kW)。安価なデジタルオシロでは数kポイント程度。内蔵メモリは高価なため、レコード長の大きい(メモリが大きい)モデルは高額になる。広帯域オシロスコープ(高速オシロ)はその性格上、大きなメモリが必要なため、増設メモリをオプションにしているが、概して高額である。長いレコード長を必要とするアプリケーションがいくつかある。最近のデジタルオシロは標準でレコード長の長いものが増えた。「レコード長」といわずに「内蔵メモリ」のような表記をしているメーカカタログもある。「ロングメモリ」という表現もされる。
計測器メーカでは、海外のレクロイ(現テレダイン・レクロイ)、日本の横河電機(現横河計測)が「ロングメモリ」モデルを特徴にしてきた。デジタルオシロを名実ともに確立して長期間シェアを保ったテクトロニクスのTDS3000シリーズは、標準ではメモリが少なく、ロングメモリには対応していなかった。以前は各オシロメーカにこのように特色があったが、最近はテクトロニクスもレコード長の大きいモデルが多い。
テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「レコード長:信号のレコードを構成する波形ポイントの数」と説明されている。