リアクトル
(reactor)
電線をコイル状に巻いた受動部品で、インダクタンスの特性を利用して電流の変化を抑制・制御する機器。電流の脈動を平滑化(直流化)したり、高調波電流(ノイズ)を抑制したり、力率を改善したり、インバータや電源回路の安定化に使われる。
別名、コイルやインダクタとも呼ばれる。一般には鉄心(コア)に巻線をしたもので、電流が流れると磁場が発生し、逆起電力によって急激な電流変化を妨げる。具体的にはインバータの入力側で電源の歪みを抑える(高調波抑制、力率改善)、直流回路で脈動(リップル)を抑えて綺麗な直流にする(電流の平滑化)、インバータの出力側でサージ電圧を低減してモータを保護する(ノイズ除去、機器保護)などで使われる。インバータの入力/出力側に使う交流回路用をACリアクトル(交流リアクトル)、コンバータの後の直流平滑回路用をDCリアクトル(直流リアクトル)と呼ぶこともある。
トランス(変圧器)と構造は似ているが目的が異なる。トランスは「電圧を変える」もので、リアクトルは「電流の通りにくさ(リアクタンス)を利用して回路を安定化させる」。つまり、リアクトルとは外観や構造はトランスとほぼ同じで、鉄心にコイルを巻いている。電圧変化に使うとトランス、回路の安定化に使うとリアクトルと呼ばれる。コイルが用途によってチョーク・コイルなどの呼称があるように、ほとんど同じ電気機器が用途によって違う呼称で呼ばれることは多い。電気の世界は同じものが違う名称になり、初心者には難しい。
英語のreact(リアクト)は「反応する」、「反作用する」の意味。リアクタンスreactance = react + -ance(名詞を作る接尾辞で、性質、状態を示す)で、「電流の流れを“妨げる性質”」(交流抵抗)。リアクトルreactor = react + -or(動作主体を表す接尾辞:〜するもの)で、「電流の変化に“反応して”、変化を“抑制する機器”」。

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