ラントトリガ
(runt trigger)
ラントパルスを検出するトリガタイプ(トリガの種類、トリガ機能)。デジタル回路ではパルス列によって1/0(信号のhigh/low)を表現している。パルスの大きさ(電圧値)とその時間幅(パルスの長さ)は、普通は機器の設計仕様によって規定されている。時間ドメインの検証にはパルス幅トリガでパルスの長さ(不良なグリッチ)を、立ち上がり/立ち下がり時間トリガでエッジの時間を確認する。電圧(縦軸)ドメインの検証を行うのがラントトリガである。
runtとは「ちび」(小人を蔑んだ呼び方)で、電圧値が規定に達しないパルスはhighやlowを正確に表さない、振幅が小さい不良パルスなので、ラントパルス(ちびパルス)と呼んでいる。ラントパルスとグリッチは電子機器で不定期に発生することが多く、発生頻度の少ないラントパルスやグリッチを検出して、電子機器の品質を向上させるためにラントトリガやパルス幅トリガ(グリッチトリガ)は使われる。
立ち上がり/立ち下がり時間トリガと同じく、時間と上限値/下限値(high level、upper level / low level、lower level)を設定して、何Vから何Vの間の何秒のラントパルスを検出するかを選べる。