ユニコーン
時価総額が10億ドル以上で、株式未公開(未上場)のベンチャー企業を指す。投資家から高い評価を受ける新興企業として、2013年に著名なベンチャー投資家が言い出した。滅多に現れないという意味で伝説の一角獣であるユニコーンになぞらえた。当時は約40社だったが、いまは1000社以上に増えている(2022年9月現在)。有望な新興企業が現れ、産業の新陳代謝が進んでいる指標にもされている。国別順位は1位が米国(641社)、2位が中国(174社)、日本は18位(6社)(米国の調査会社、CBインサイツの報告による)。
世界や日本で多くの計測器メーカが起業した50年~100年前なら、計測器メーカも何社かは確実にユニコーンだったと推測する。半導体やコンピュータ、通信技術の進歩によって計測器が伸び盛りの最先端機器だったのは1980年~2000年代のICEの興亡が最後であったように筆者には思える。計測器は今でも最先端のハイテク製品で、工業製品のマザーツールとして決して無くなることはないが、計測器メーカがユニコーンになることはない。計測器はベンチャービジネスではなくなった枯れた(円熟した)製品といえる。