モールス信号
(morse signal)
電信で使われる可変長符号化された文字コード(短点「トン」、長点「ツー」)をモールス符号(morse code)といい、モールス符号を使った通信(電信)がモールス信号。別名、「トン・ツー」とも呼ばれる。
1830年代にサミュエル・モールス(米国)は継電器(リレー)を使った電信機の実験に成功し、モールス符号を考案した。当時の電信機はコイルが発生する磁界によって電流のオン/オフを機械的な運動に変換していた。可動部に記録用のペンを装着すれば、モールス信号を記録することができた。モールス符号は単点(・)と長点(-)とを組み合あせて文字を表現するので、たとえば、アルファベット A:・-、B:-・・・。数字0:―――――、1:・――――、2:・・―――など。
通信衛星の普及によって、短波によるモールス通信は減り、非常用の通信手段としても国際海事機関(IMO)の決定により、国際的な船舶安全通信がGMDSSに1999年2月に完全に移行したため、モールス通信は公共の手段としては使われなくなった。ただし、モールス符号を知っていれば指で机などを叩いて、誰でも通信することができる。山岳地帯などで電気的な通信手段が乏しい特に使用されるケースもある。「助けて」はSOSをトン・ツーで表現することで知らせることができる。モールス信号を発生させる器具はハムフェアなどで販売されている(CQ出版社、GHDキーなど)。

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