マルチキャリブレータ
(multi calibrator)
校正用標準器の世界的な代表メーカ、フルーク・キャリブレーションには、オシロスコープや電力計などの計測器を校正するための電気校正器がラインアップされ、世界中の電気標準室(校正室)で使われている。たとえば、マルチプロダクト校正器 5522A、マルチファンクション校正器 5730A、オシロスコープ校正器 9500Bなどが同社HPに現役モデルとして掲載されている(2022年6月現)。
(すでに会社は無いが)Datron(デートロン)のモデル9000シリーズは名器で、一時期、横河電機が販売店をしていた。そのため中古品で「Datron YOKOGAWA マルチファンクションキャリブレータ9000」や「Datron YOKOGAWA キャリブレータ9100」という表記を見かける。高額な測定器のためレンタル需要もあり、2000年の 横河レンタ・リースのレンタル・ガイド(レンタル商材の一覧リスト)には品名:DATRON9100ユニバーサルキャリブレータ、形名:7581 62-1-C/EL100/200/50/60(まるで横河電機の形名である)が掲載されている。Datronはその後、M&AによってWavetek(ウエーブテック)、Fluke(フルーク)と変遷し、最後はフルーク・キャリブレーション社の「9100ユニバーサル校正器」として生産終了した。
これらは機種群としては高精度な電圧・電流発生器&マルチメータである。TechEyesOnlineの計測器ページでは「マルチキャリブレータ」というカテゴリーをつくり分類している(フルーク・キャリブレーションの品名を参考に命名)。キャリブレータ(校正器)の代表的な機種群である。
上記とは全く別に、プロセス用のキャリブレータなる製品群がある。横河計測のコンパクトキャリブレータやコンパクトキャルと呼ばれる、計装用途の電圧・電流発生器&マルチメータ機能のあるハンドヘルドの製品群である。形名CA100、CA150などがある。最新モデルのCA500の品名は「マルチファンクションプロセスキャリブレータ」で、上記のマルチキャリブレータと名称が大被りしている。マルチキャリブレータでネット検索するとフルーク・キャリブレーションよりも横河計測が上位に出てくることも多い。プロセス用ではあるが「マルチキャリブレータ」という品名が付いているので、TechEyesOnlineではその名の小カテゴリーに分類している。

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