マニホールド
(manifold)
冷熱機器(エアコン、冷蔵庫、冷凍機など)では、空調・冷凍システムの設置作業や保守で、冷媒(フロンガスなど)の圧力測定、真空引き、冷媒充填を行うためのマニホールドゲージ(ゲージマニホールド)と呼ばれる測定工具を「マニホールド」と呼称している。配管の高圧側・低圧側・サービスポート(作業側)をまとめて接続し、冷媒の流量や圧力をバルブで制御する、作業に欠かせない工具である。 工具だが、圧力や温度を測定する計測器の機能が備わっているので、測定工具(現場測定器の1種)である。
マニホールドは冷媒回路と外部(真空ポンプ、冷媒ボンベ)を接続して次の作業を行うことができる。
・圧力測定(診断): システム内の高圧・低圧冷媒の圧力を測定し、正常動作を確認。
・真空引き(排気): 冷凍サイクル内を真空状態にし、水分や空気を除去。
・冷媒充填(チャージ): 冷媒をシステムに補充。
種類は、針が振れるアナログ式(指示計器)と、数値表示のデジタル式の2つに大別される。デジタル式は冷媒の飽和温度などが計算できる製品もある。
一般にマニホールドとは、1つの主通路から複数の枝管へ気体・液体を分配する、または反対に集約するブロック(配管部品、分岐部品)を指す。自動車のエンジン(吸排気)にも使われている精密部品である。冷熱業界のマニホールドは「エアコンや冷凍機の設置・修理に使う、圧力計のついたバルブユニット」を指す。圧力計、連成計、台座、ホースセットなどで構成された分岐管(分岐・集約ブロック)なので、マニホールドと呼ばれている。
隔年開催のHVAC&R(冷凍・空調・暖房展)では各社のマニホールドが勢ぞろいする。冷熱機器業界の作業者が使う測定工具は古いものが多く、デジタル式のマニホールドは以前からあるが、高額なためにほとんど普及しなかった。ベンダ各社が安価で使い勝手が良い製品を開発したり、現場作業員の変化や効率改善などの時代背景もあり、デジタルマニホールドへの買い替え需要がある(HVAC&R 2026で、マニホールドメーカの営業マンの話)。
アサダ(株)、(株)イチネンTASCO、BBKテクノロジーズ(株)の3社が海外製品を自社ブランド化して販売している。温度や風速などの現場の環境測定器(換気空調の現場測定器)メーカであるテストー(testo)は、冷凍空調の分野に最近は注力していて、マニホールドをラインアップしている。「カパス・ザ・セール 2026」(※)のチラシ(30ページの冊子)にはテストーのデジタルマニホールドが掲載されている。施工作業者はネット検索でカパスのショップから購入するので、新参のテストーは有効に活用している。
(※) 1950年に船舶用品の販売で創業した(株)極東商会は空調・冷凍機器を取り扱う技術商社になり、全国にKAPAS(カパス)という販売網を展開した(極東商会の営業部門を別会社のカパスにしたといえる)。(株)カパスは全国の拠点で、空調冷凍関連の施工作業者に商品を直接販売・納品する(施工プロ向け特化型ショップ)。毎年年初に開催する「カパス・ザ・セール」は、エアコン設置工事に必要な最新機器や限定特価の販売が行われる。EC販売のイベント(展示会、キャンペーン)といえる。
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