マイコン
2つの意味がある。
1.マイクロコンピュータ(microcomputer)の略で、マイクロプロセッサ(MPU)を使用したコンピュータのこと。現在のパソコンは、黎明期にはマイコンと呼ばれていた時代がある(8ビットのパーソナルコンピュータが世の中に出た頃はマイコンと呼ばれていた。マイクロプロセッサを利用した個人用小型コンピュータを指してマイクロコンピュータ、略してマイコン)。
2.マイクロプロセッサやマイクロコントローラ(Microcontroller、MCU:Micro Control Unit)の略で、組込みシステム向けのICチップのこと。
マイコンとマイクロプロセッサは異なる、という説明もあるが、どちらもCPUを搭載したコンピュータで、分類としてCPUと呼称されることも多いため、違いの定義は難しい。2つのことばは以下のように説明される。
・マイコン(Micro Controller Unitの略、MCU):CPUを搭載し、メモリなどを一つのチップにまとめたもの(1チップマイコンとも呼ばれる)。
・マイクロプロセッサ(Micro Processor Unitの略、MPU):CPUそのもの、またはCPUの機能をチップに集積したもの。グラフィックスプロセッサ(GPU)など、特定の処理に特化したものもある。
マイクロプロセッサを使った組込みシステムの開発に使う計測器であるICE(In Circuit Emulator、アイス)は「マイコン開発支援装置」と呼ばれる(マイクロプロセッサ開発支援装置とは呼ばれない)。ここでいうマイコンとは「マイクロプロセッサを使った機器」の意味だが、「マイクロプロセッサの略」という説明も可能である。
マイコンの正式名称は次の3つとも説明できる。
1.マイクロコンピュータ(Microcomputer)・・コンピュータ製品
2.マイクロコントローラ(Microcontroller)・・組込み製品の部品
3.マイ・コンピュータ(My computer)・・個人のコンピュータ(過去の呼称で、現在ではパソコン)
マイコンを計算する物と捉えると、1のようにコンピュータ製品と解釈できる。ハードウェアを制御して製品機能を実現する物と捉えると、2のように組込み製品の一部分と解釈できる。組込み製品の部分という意味で、マイクロコントローラユニット(Micro Controller Unit、略記:MCU)という呼称になる。
総括すると、マイコンとマイクロプロセッサはほぼ同義で、使われる場面や文脈によって使い分けられているといえる。自動車に搭載されるマイクロプロセッサを車載マイコンと呼んでいる。文献によってはマイクロコントローラ、マイクロコンピュータなど様々な表現がされる(以下の参考記事を参照)。