プリント配線板
(printed wiring board)
電子機器の中で電子回路を実現するために、電子部品を実装した板をプリント基板というが、部品を実装する前のベアボード(裸の板)をプリント配線板(PWB)という。
正確には、プリント配線板に電子部品が取り付けられて電子回路として動作する状態のものをプリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)というので、プリント基板とはプリント配線板とプリント回路板の総称なのだが、プリント回路板のことはPCB(またはプリント基板、プリント板)と呼称することが多く、プリント回路板といういい方はあまりされない。そのためPCB=プリント基板(またはプリント板)という認識が広くある。ベアボードであるプリント配線板をつくるメーカは多くあり、その現場では「プリント配線板」といういいかたは日常的にされているが、PCBをプリント回路板とは呼ばす、プリント板と呼称するのが普通である。
つまり、正確にはプリント基板(またはプリント板)はPWBとPCBの総称なのだが、PCBをプリント基板(やプリント板)と呼ぶことが多いので、ベアボード(本当はこちらがただの板なのでプリント板だが)をわざわざ「プリント配線板」(配線が印刷された板)と呼び、PCBと間違わないようにしている。プリント回路版(回路が印刷された板)というネーミングは、板の上に電子部品が実装され、電子機器となった状態をイメージしにくいので、この名称が使われない(普及しない)と筆者は思う。回路板ではなく実装板なら、まだイメージしやすい。今後「プリント実装板」などと改名することも困難で、PCBはプリント板と呼ばれ続けると思われる(単なる板ではなく実体は電子機器なのだが)。電子機器を「板」というのだから、初心者には難しい世界である。理工系ではない一般の人には「プリント板」の実体はイメージしにくい(というかほとんど正確に伝わっていないと筆者は確信している)。
プリント基板の新しい検査手法にバウンダリスキャンがあり、一般社団法人エレクトロニクス実装学会の亀山博士が普及活動を行っている(以下の参考記事が詳しい)。