フィールドバランサ
(field balancer)
フィールドバランサやバランシングマシン(動釣合試験機)は、回転体の不釣合いを測定する機器。回転中心と重心がずれていると、回転させたときに余計な振動が発生する。振動の原因は余分な質量があるためなので、それが何度の位置に何グラムあるかを計測して、それを相殺する重りをどこに付けるか(あるいは削るかして)振動が軽減するか計測する。計測器を現場に持っていき、対象機器に振動センサ(回転センサ)を付け、対象機器自身の軸受けや回転機構を使ってバランスをとる計測器をフィールドバランサという。
回転機構がある様々な機器(送風機、電動機、ポンプなど)の回転体の不釣り合いを修正することで、振動や騒音の軽減を行う。現場作業向きのポータブルサイズで、バランシングマシンのように専用の駆動装置を必要としない(バランシングマシンは駆動機構を備えているので、大型の試験機器である)。測定対象や用途に応じて種類を選ぶ。一般回転体や精密研削盤用には一定速フィールドバランサ、弾性ロータや超精密機械用には多速フィールドバランサなどがある。回転機器の調整や保守に不可欠なツールとして、工作機械や電動機などの高精度な加工/運転が求められる機械で使われる計測器といえる。
フィールドバランサは、シグマ電子工業株式会社が30年位前からつくる老舗(国内トップシェアを自負している)。従来は技術者が電卓で計算しながらバランス修正していたのを、同社が初めて自動で修正指示量の表示までする計測器にしたといわれている。エレベータ用振動計などの振動計測専門メーカの昭和測器株式会社や、設備診断機器を手掛ける旭化成テクノシステム株式会社もラインアップがある。精密測定機器の商社である日本海計測特機株式会社も取り扱いがある。