ピンク電話
特殊簡易公衆電話の通称。店舗内に設置される公衆電話で、電話機の色がピンク色であるため「ピンク電話」と呼称される。昭和の時代の喫茶店などの飲食店に多く設置されていた。貨幣やプリペイドカード(テレフォンカード)でかけられる一般の公衆電話(緑色や灰色)はNTTの管理であるが、ピンク電話は電話を設置している施設が管理するため、正確には公衆電話ではない。飲食店が家庭用の電話を店舗の業務用に兼用し、かつ店舗に入店した顧客が硬貨を投入したら発信できる機能を持っている。つまり受信は通常の固定電話で、発信は公衆電話になる。
NTT東日本のホームページには「ピンク電話」というタイトルのページがあるが、掲載されているのはナンバーディスプレイ対応のCUBE型インテリアホンで、今どきのプッシュボタン型で(普及しているピンク電話は丸い穴の並んだダイヤル式でボタン型ではない)、色はピンクではない。
携帯電話の普及によって、固定電話機の加入者数は減り、公衆電話の設置個所も激減したが、震災や携帯電話回線のトラブル時には、携帯電話はつながらなくなり、固定電話が重要になる。NTTのピンク電話は、家庭の黒電話と同じく、加入者の資産ではなくNTTからの貸与である。そのため今でも古い店舗にはダイヤル式のピンク電話が現役で働いている。新しいピンク電話の加入契約は少ないと思われるが、前述のようにNTT東日本がまだ契約の案内を掲載しているので現行のサービスである。