バッテリーシミュレータ
(battery simulator)
あらかじめ設定した電池特性に基づき充電や放電を、実機バッテリーさながらに疑似的に動作する計測用電源の1種。特定の電池状態を設定により簡単に再現できるため、放電だけの繰り返しや充電だけの繰り返しの他、実バッテリーでは困難な状況の繰り返し再現が簡単に設定できる。別名、バッテリーエミュレータ。(株式会社高砂製作所の用語集より)
充電できる二次電池の代わりをする擬似電池(エミュレータ)だが、充電器の開発に使うわけではない。上記の高砂製作所の説明文では伝わらないが、同社にはEVパワーエミュレータ(Electric Vehicle Power Emulator)なる製品があり、その機能の1つがバッテリーエミュレータである。つまり、EV(電気自動車)で、バッテリとモータの間にあるインバータの評価をするのがバッテリーエミュレータなのである。Mywayプラスが回生電源APL2をリリースして、2010年頃にPV(太陽光発電)用のインバータであるパワーコンディショナの評価に使われていた時期に、高砂製作所はEVの擬似電池、擬似インバータ、擬似モータをつくり、EVのバッテリ、インバータ、モータという各要素を評価できる双方向電源を製品化していたのである。
名称が似ている製品にバッテリ試験器やバッテリテスタがあるが、これらはバッテリの評価をする測定器なので、バッテリーシミュレータとは違う。擬似交換機(交換機シミュレータ)と疑似呼(コールシミュレータ)のような関係である。