計測関連用語集

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詳細説明

ハイパースペクトルカメラ

読み方:

はいぱーすぺくとるかめら

カテゴリー:

#光学・視覚測定器

(hyperspectral camera)
一般のカメラ(RGBカメラ)は赤、緑、青の3波長の情報を取得するが、もっと多くの波長情報(10~数百)を取得できるカメラをハイパースペクトルカメラと呼んでいる。RGB以外の波長があるので、可視光ではわからない(人の目では検知できない)状態を可視化できる。そのため生産ラインの形状検査から農地の生育状況まで、広範な応用が進んでいる。価格は千万円オーダで高額な物が多いが、安価なモデルも出始めている。
海外メーカが先行していて、多くのベンチャー企業の製品が輸入されている。ケイエルブイ株式会社は2008年から取り扱い開始した老舗で、各種のメーカ、モデルをラインアップしている(以下の参考記事が詳しい)。IR(赤外線)機器の商社、株式会社アイ・アール・システムは2017年に生産ライン向けのモデル(約3千万円)の輸入を始めている。エバ・ジャパン株式会社は2010年代にハイパースペクトルカメラを開発した国産の老舗である。光と明るさのセンシングを得意とするコニカミノルタは、フィンランドのSpecim(Spectral Imaging Oy Ltd.、スぺキム)社を2020年に買収した。同社は初めて産業用のハイパースペクトルカメラをつくったといわれている(世界シェアが20%ある、とコニカミノルタは認識している)。
映像・画像機器や光・カメラの展示会では最近、ハイパースペクトルカメラの出展(新製品)が目立つ。画像処理や赤外線カメラをラインアップする株式会社アバールデータもハイパースペクトルカメラをつくっている。「InterOpto2024~光とレーザーの科学技術フェア」(オプトロニクス社主催、2024年10月29日~31日、パシフィコ横浜)では、アバールデータはソニーのイメージセンサを搭載したハイパースペクトルカメラを発表した(2025年1月発売予定)。同展示会の「可視化技術」や「赤外線」のコーナには複数社のハイパースペクトルカメラが展示された。産業用カメラの展示会である国際画像機器展でもハイパースペクトルカメラは多くのメーカが出展している(海外製品を並べる商社が多い)。国産のパナソニックは独自方式による安価なハイパースペクトルカメラを2024年12月の国際画像機器展に出品している。

ハイパー(hyper)は「〇〇し過ぎる、異常に活発」などの意味で、スーパーやウルトラのように「超○○」を示す接頭辞。「ハイパーはスーパーよりも上だがウルトラほどではない」という説明もあるが、hypersensitiv(過敏症)のように「過○○」と表現されている。ハイパースペクトルとは「過スペクトル(多くの波長)」という意味。波長の数は定義がなく、使用者によって様々。10波長をハイパースペクトルと呼んだり、10ではマルチスペクトルで100以上がハイパースペクトルなど、統一されていない。

参考用語
参考記事
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