ドロッパ方式直流電源
(drop type DC power supply)
直流安定化電源を回路方式で大別したときの1種。トランスで降圧した直流電圧を、負荷に直列に接続した制御用のパワー半導体(トランジスタなど)でドロップ(電圧降下)させて、目的の直流電圧を安定的につくる。負荷に対して制御用半導体が直列に接続された直列制御方式のためシリーズレギュレータ方式とも呼ばれる。regulation(レギュレーション)は「規制、調整」で、「直列で調整する」という意味。別名リニア電源やシリーズ電源の呼称もある。略してドロッパ方式という記述も良く見かける。
低ノイズではあるが、効率はスイッチング方式の電源と比較すると良くない。ノイズを嫌う用途で使われる(ノイズを出せない環境での使用)。ドロッパ方式とスイッチング方式はそれぞれに長短があり、用途で使い分けられている。
計測用電源の各社がつくっているが、品名からドロッパ方式とは判別がつかない。品名に「スイッチング」の表記があるモデルはあるが、「ドロッパ」が付いていることはほとんどない。従来はドロッパ方式が主流だったのであえてそう呼ばなかったが、技術の進歩でスイッチング方式が普及して、現在は2つの名称で区別している。スイッチング方式はその普及の過程で、新しさをアピールするために名称に「スイッチング」を前面に出してきたと推測する。
主要メーカの表記も、スイッチング方式は共通した呼称だがドロッパ方式は様々である。2026年1月現在の各社HPを紹介する。
菊水電子工業は「シリーズドロッパ方式」のタイトルでPMCシリーズなどを掲載しているが品名にドロッパはない。「PAN-Aシリーズ 高信頼性電源」、「PAD-LAシリーズ 可変直流安定化電源」など。
高砂製作所は「リニア電源(シリーズレギュレータ方式)」のタイトルで各モデルを掲載している(用語解説でシリーズレギュレータ方式の別名として触れている)。
テクシオ・テクノロジーは「ドロッパ方式電源」のタイトルを使っている。
菊水電子工業とテクシオ・テクノロジーがドロッパ方式のモデルが多いように思われる。
ドロッパ方式を英訳するとdropper methodだが、dropperは点滴器なので、dropper methodを和訳すると「スポイト式」になってしまう。voltage drop methodかdrop typeが妥当。
ドロッパ型電源(リニア電源)は、スイッチング電源が登場するまで広く使用されていた、比較的古い歴史を持つ単純な方式の電源だが、半導体技術の進歩によって内容は変遷している。

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