データロガー
データをメモリやPCに記録する機器。一定間隔で測定したデータを記録する。log(ログ)は記録や履歴の意味。データをロギングする(データのログを取る)測定器なのでデータロガー(data logger)。略称:ロガー。
温度などの時間変化の遅い物理現象(たとえば1秒サンプリング)を、センサからのアナログデータをデジタルに変えて記録する、可搬型の4~8チャンネルのモデル(数万円)から、ひずみ・振動を高速サンプリング(たとえば100kHz)で多チャンネル(たとえば128チャンネル)に測定するモデル(1千万円以上)まで多様なメーカと機種群があり、市場ニーズ・アプリケーションに対応している。
ひずみ・振動測定に特化している機種群はセンサ(ひずみゲージや加速度ピックアップ)からの信号を増幅してデジタル化するアンプをロガーに組込んで1筐体にしていて、単に電圧入力ができるだけの(本来の意味の)データロガーではなく、「ひずみデータロガー」とでもいう機種群を形成している。測定対象に近いセンサに特長があるもの、後段のデータ分析・解析の手法(PCとソフトウェアによる)に特長があるものなど各社で特長がある。
IoTの普及によって、従来センサとコンピュータの中間に位置していた計測器であるデータロガーは、その形態を変える可能性がある。異業種(センサメーカや、ビッグデータ解析が得意なIT機器メーカ)から、ほとんどマイコン機器と化したハードウェアであるデータロガーに参入する例もある。データ収集(データ収録)のためのDAQ(ダック、Data AcQuisition、データアクイジション)をデータロガーといっていることもあり、使用者によってデータロガーの意味は広範。
物理量測定器である温度計は温度センサと測定器で構成されるが、測定器は今やコンピュータなので、記録する機能を付加した「温度ロガー」が1つの機種群を形成している。温度ロガーは温度計メーカと記録計(データロガーを含む)メーカの両社がつくっている。その外観は可搬型で、温度の測定と記録ができ、各種の通信方式や記録メディアによってPCでデータ分析できるソフトウェアを用意していることが多い。カテゴリーは温度測定器(物理量測定器)かデータロガー(記録計)か意見が分かれる。
レコーダ(記録計)とロガーの違いは難しく、製品によってはどちらともいえないモデルもある。当サイトでは電磁オシログラフから続くペンレコーダ、ハイブリッド記録計、データレコーダ、メモリレコーダなどを「レコーダ・記録装置」に、データロガーやスイッチ/コントロールユニットなどをDAQの範疇として「データ集録機器」に区分している。
参考記事:記録計・データロガーの基礎と概要 (第1回)
・・記録計の歴史から、内部構造、PCとの組合せ、温度センサなど、メモリレコーダ以外を俯瞰。
参考記事:メモリレコーダの基礎と概要 (第1回)
・・現在のレコーダの主流であるメモリを備えたデジタル式のメモリレコーダについて解説。
計測器情報:データロガーの製品例(メーカと種類が大変多い)