スキュー
(skew)
電子機器では、複数の信号間の時間のズレのこと。複数信号の時間波形を測定するオシロスコープでは、チャネル間のスキューに伴う誤差の対策として、測定開始前に測定系のスキューをゼロに合わせ込む作業を行う。これをデスキュー(de-skew)と呼ぶ。
アナログオシロスコープに比べて現在主流のデジタルオシロスコープのデスキューは簡便になった。補正する量さえわかればデータの時間位置を変えるだけで済む。指定されたプローブを使うと、プローブごとに書き込まれた遅延時間を内部で自動補正してくれるモデルもある。同時性が明らかな信号を入力してボタンを押すとズレが補正される「デスキュー機能」を持ったオシロスコープやソフトウェアもある。テクトロニクスはデスキュー用測定治具(パワー・デスキュー・フィクスチャ)をつくっている(外観は電流プローブをつないで使うプリント基板)。横河計測には7019 36 デスキュー調整信号源があり、同社の看板オシロスコープDLシリーズにはオートデスキュー機能がある。
skewは一般的には「斜め」や「歪み」の意味である。IT用語としては主に2つの意味を持つ。1つはグラフィックスソフトで図形を斜めに傾かせる操作のこと。もう1つはCPUのクロックが複数の論理回線の経路を通ることで発生する、タイミングのずれ(前述の計測器のスキューもこの意味)。医療分野ではスキューはまた別の意味がある。